午前の病院での仕事
今朝も雨.
気温が低いので, エアコンなしで寝ています.
通常通りに出勤.
道路は空いていて, いつもよりも早く病院に到着.
8時から朝の病棟回診.
8時半からカンファランス.
今日は, 脳外科医による痙縮に対するボツリヌス毒素(ボトックス)注射についての講義でした.
9時前に外来に降りて, 29人の患者さんの診療を行いました.
指の腱滑膜巨細胞腫の患者
先輩医師の整形外科クリニックから, 指に腫瘤を生じた中学生が紹介で受診.
2年前から腫瘤があったそうです.

持参されたMRIを診て, 腱滑膜巨細胞腫と診断しました.
腱滑膜巨細胞腫は, 関節を動かす働きがあるひも状のスジ(腱けん)を包んでいる膜(滑膜かつまく)から生じる良性腫瘍で, 手指や足によく生じます.
中年〜壮年期の女性に多く発生します.
数年の経過で徐々に大きくなることが多く, 大きくなると骨を溶かしながら, 骨内に食い込むように入ることもあります.
今年度高校受験を控えているため, 早期の手術を希望されたので, 夏休み中の来週手術を行うことに.
12時過ぎに外来診療を終了.
病棟に上がって, 午後に手術を行う患者さんのご家族に手術の説明を行いました.
午後の病院での仕事と大腿切断術
13時過ぎに手術室に.
今日は, これまでに足趾, 足部切断術を3回行ってきた大腿動脈閉塞症の超高齢患者さんの大腿切断術でした.
先週から39 ℃台の発熱が続くようになり, 抗菌薬の投与を開始しましたが, 熱が下がらず, 食事が摂れなくなり, 衰弱してきました.
これまで切断を行ってきた足は, 足首から先が黒く壊疽して, 骨が露出.
炎症反応も徐々に増加し, 先週のCRP(C反応性タンパク)は, 21.0 mg/dL(基準値:0.3 mg/dL未満)でした.
救命のためには, 血管が閉塞している部位よりも頭側のふとももで脚を切断せざるを得ないと判断.
家人も手術に同意していただき, 本日実施することに.

これまでの手術では, 切離した皮膚や皮下脂肪や筋肉から出血がわずかした認められませんでしたが, 今日はちゃんと出血があり, 血行のある部位での切断術を達成できました.
予定通り, 1時間あまりで終了.
切断術のあれこれ
1980年代以降, 骨や軟部組織の悪性腫瘍に対しては, 患肢温存術といって, 腕や脚を切断せずに残す手術が主流となりました.
切断術に至った場合は, 整形外科医としては, 負け戦感があります.
そのため, 学会でまとめて発表されることもほとんどなく, その実相は不明瞭です.
今回, この項を書くに当たって, 切断に関する画像の検索を行いましたが, 掲載に資する良好なイラストや写真をなかなか見つけることができませんでした.
大学病院勤務中は, 腕や脚の悪性腫瘍に対して, 多くの切断術を執刀しました.
経験数としては, 県内で一番, あるいは東北地方でも一番かもしれず, 国内でも有数の経験数ではないかと密かに自負しています.
上肢では, 手指切断, 指列切断, 前腕切断, 上腕切断, 肩関節離断, 肩甲帯離断を, 下肢では, 足趾切断, 趾列切断, 足部切断, リスフラン関節離断, ピロゴフ切断, サイム切断, 下腿切断, 膝関節離断, 大腿切断, 股関節離断, 骨盤半載を経験しました.

左が, 上肢に対する肩甲帯離断.
右が, 下肢に対する骨盤半載術.
引用元:Campanacci M. Local recurrence after amputation for osteosarcoma. J Bone Joint Surg. 1980. 62-B.
骨・軟部腫瘍を専門にすることになって, 最初の悪性腫瘍の手術が骨盤半載術(こつばんはんさいじゅつ)でした.
骨盤半載術とは, 片方の脚を骨盤の骨ごと切断するという, 整形外科の手術の中では最高難度の手術のひとつです.
患者さんは, 未分化多形肉腫という悪性腫瘍を外科で何度も摘出されて, そのたびに再発を繰り返した結果, 腫瘍がお尻も含めた片脚全体に拡がってしまい, 皮膚を溶かした腫瘍が感染して膿が出たり, 出血したりという状態でした.
実際に見たことがない手術だったため, 本や論文を読んで勉強するだけでなく, 夜遅くに解剖学教室に出向いて, 解剖用のご遺体で, 切離する神経, 血管, 骨, 関節などの位置を確認しました.
手術は無事に成功しましたが, 数年後, 転移を生じて患者さんはお亡くなりになりました.
しかし, 手術前は寝たきりだったのが, 手術後は自宅で入浴もできるようになり, とても感謝されたことを今でもよく記憶しています.
その後も, 骨盤半載術を執刀する度に, 最初の手術前に費やした準備の時間と情熱を思い出しました.
首の脇や胸の下の腕神経叢に生じた悪性末梢神経鞘腫や肩甲骨の骨肉腫に対しては, 肩甲帯離断術(上図左)も複数回執刀しました.
肩甲帯離断術は, 片方の腕や手を肩甲骨, 鎖骨とともに体から切り離すという大手術です.
特に, 首のわきで腕に分布する神経や血管を切り離す操作は, 慎重さと大胆さが求められ, 手術の遂行には, 強い精神力・気力も求められます.
2000年代以降, 重粒子線治療という放射線治療が始まり, 骨盤半載術や肩甲帯離断術といった大手術の実施数は減少しました.
現在, 大学で勤務している後輩医師達は, どちらの手術も経験がないと思います.
大腿骨転子部骨折に対する骨折観血的手術

引用元:川田. 大腿骨転子部骨折に対するZNN CM Fortisネイルを使用したanterior support screw(AS2)の挿入の検討. 骨折. 2023. 45.
15時半過ぎから, 大腿骨転子部骨折に対する骨折観血的手術を執刀.
こちらはスムーズに進み, 1時間弱で終了.
途中で, 大学病院から診療応援に来られた新人医師にもドリリング等の手技を勉強してもらいました.
16時からの多職種回診は, 後輩医師にお任せ.
17時過ぎに病棟に上がって, 患者さんのご家族に手術結果を説明.
その後, 臨床検査データの確認などを行い, 18時過ぎに病院を出ました.
外に出ると, そぼ降る雨.
ずいぶんと太陽を見ていません.
休 息
ガーミンのスマートウォッチを見ると, リカバリータイムがあと70時間と表示されたので, 運動はお休み.
帰宅後すぐに入浴して, ゆっくり過ごしました.
今晩もNetflixでアニメ『ちいかわ』を見ました.
酒のみキャラ『くりまんじゅう』が, いろいろな酒肴とそれに合うお酒を飲んで,
「ハーッ」
と歯をむき出しにして一息つくシーンがお気に入り.
作者のナガノさんは, 推定30-40歳台とされていますが, 出てくるお菓子や酒の肴などを見ていると, 同年代ではないかと疑っています.






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