手術日+919日目 2026/9/3(木)(炎症性表皮嚢腫)

午前の病院での仕事

今日は, 朝から雨.
通勤途上は, 渋滞しがちでした.

8時前に病棟に上がって, 8時から朝の病棟回診.

8時半に外来に降りて, 午前中は28人の患者さんの診療を行いました.

殿部表皮嚢腫の患者

看護師さんのご子息である10代の大学生の患者さんが来院.

殿部に生じた大きな表皮嚢腫の事例の普通写真.
皮膚が隆起して, 色が黒っぽく変色しています.

引用元:Rajendran R. A giant epidermal cyst in the gluteal region: A case report. Cures. 2023. 15.

以前からおしりにしこりがあったそうですが, 先週から痛みが出てきたとのこと.
診たところ, 坐骨部皮膚直下に5 cm大の硬結があり, 炎症性表皮嚢腫が疑われました.

午後に臨時で手術を行うことに.
血液検査とMRIをオーダーしました.

脛骨geode(ジオード)の患者

先輩医師の整形外科クリニックから足関節痛があって, X線写真を撮像したところ, 脛骨に骨破壊があり, 骨腫瘍が疑われれた後期高齢患者さんが紹介で受診されました.

普通に歩いてこられて, 今は痛みが引いているとのこと.
脛骨の足関節に近い部分を圧しても, 痛みはありませんでした.

持参されたX線写真を見ると, 脛骨の足関節面に近い部分に骨が透けて見える病変あり.
足関節自体も関節のすき間が狭くなっていて, 変形性足関節症がありました.
病変を詳しく診るために, CTをオーダー.

外傷後の二次性変形性足関節症の事例のX線写真とCT.
脛骨の足関節面から連続して脛骨の中に空洞状に写るジオードgeodeが認められます.

引用元:Bonnin M. The Salto total ankle arthroplasty. Clin Orthop Relat Res. Clin Orthop Relat Res. 2011. 469.

その結果, geode(ジオード)と診断.
Geodeについては, 以下の記事を参照下さい.

現在, 痛みがないので, 痛みが出たときには, 前医を受診していただき, 症状に応じて鎮痛薬を内服したり, 関節注射を受けたりするように説明しました.

12時前に外来診療を終了.
昼休みを長く取ることができました.

自分の部屋に戻って, 外を見ると雨が降り続いていました.

午後の病院での仕事

14時前に外来に戻って, 午後の診療を開始.
7人の患者さんの診療を行いました.

診療終了後, 15時前から臨時手術を行う大学生と親の看護師さんに麻酔と手術について説明.

破裂した表皮嚢腫の事例のMRI.
T2強調画像(B)では, 通常白く写る囊腫が黒っぽく写っています.
破裂してない表皮嚢腫の事例のMRI.
T2強調画像(B)では, 内容はほぼ均一に白く写っています.

引用元:Hong SH. MRI findings of subcutaneous epidermal cysts: Emphasis on the presence of rupture. AJR Am J Roentgenol. 2006. 186.

撮像したMRIでは, 囊腫の写り方が典型的ではなかった(T2強調画像で黒っぽく写った(低信号だった))ため, 囊腫の被膜が破綻していると予想しました.

炎症性表皮嚢腫の治療

15時に手術部に移動して, 囊腫の摘出を執刀.
予想通り, 炎症によって囊腫の被膜が溶けてしまっていたため, 内容物や被膜の残りを取り残さないように丁寧に切り取って, よく洗いました.

炎症性表皮嚢腫は, 細菌感染によって炎症を生じているのではなく, 被膜が破れて, そこから周囲に漏れ出たケラチンなどの内容物に対する異物反応によって炎症を生じています.
このため, 抗菌薬を内服しても治すことはできず, 手術での対応が必要です.

また, 炎症性表皮嚢腫に対しては, 以前は, 切開して, 内容物を出し切って, さらに抗菌薬を投与して, 自然と治るのを待ったり, 炎症が治まってから縫合したりする二期的な治療が行われていました.
現在は, 炎症性表皮嚢腫を一期的に摘出, 縫合して, 明らかに細菌感染を生じていない場合は抗菌薬を投与しない治療が行われるようになっています.

最新の研究論文(Gwak H. Microbiological and clinical outcomes of single-stage minimal excision of inflamed epidermal cysts without routine antibiotic treatments: A dual-center retrospective cohort study. medicine (Baltimore). 2026. 105.)では, 444人の表皮嚢腫患者(うち, 254(62.4%)は炎症性)に対して, 一期的治療を行った結果, 免疫抑制状態でメチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)の感染を合併していた1人だけが再手術となり, それ以外は治ったという報告があります.

16時から, MRIを予約していた患者さんに検査結果を説明.

16時半から夕方の病棟回診.
入院患者さんは65人, 自分が主治医となっているのは32人でした.

17時半前に病院を出ました.
雨はすっかり上がって, 道路も乾いていました.

自転車トレーニング

帰宅後, 自転車トレーニングとして, エアロバイクを1時間漕ぎました.
今日は, リカバリー走で軽めに流しましたが, 湿度が高くて, 汗だくに.

入浴後, ノンアルコールビールを2本一気飲みして, ようやく人心地つきました.

来週は, 新潟市で学会があるので, どのセッションを聴講するか, スケジュールを立て始めました.
ランチョンセミナーは, もう, すでにほとんどが売り切れ.
昼食をどこで摂るかも検索します.



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