手術日+911日目 2026/8/26(水)(骨端線損傷)

午前の病院での仕事

今朝も晴れ.
昨日ほどではないものの, 最高気温は30 ℃を超えるとの予報でした.

8時前に病棟に上がって, 昨日, 後輩医師の執刀で手術が行われた患者さん2人(変形性膝関節症に対する脛骨近位骨切り術2件)の経過を確認.
お二人とも問題なく経過されていました.

8時から朝の病棟回診.

8時半に外来に降りて, 19人の患者さんを診療.

指の関節脱臼と骨折の急患

10時過ぎに階段から転落して, 指が変形している後期高齢患者さんの受け入れ要請が救急隊からありました.
頭部にもケガを負っており, 脳外科では受け入れ可能とのことだったので, 当科も受け入れることに.

脳外科での処置終了後に救急外来に出向いて診察.

ひとさし指のPIP関節背側脱臼の事例の写真とX線写真.

引用元:Gottipati S. Neglected dorsal proximal interphalangeal joint dislocation treated by volar plate arthroplasty: A case series. Cureus. 2024. 16.

中指が第2関節(近位指節間関節:PIP関節)で大きく曲がっており, 一目で脱臼しているとわかりました.
さらに薬指(環指かんし)と小指も腫れていて, 圧すと痛みがあり, 骨折が疑われました.

X線写真の結果, 中指のPIP関節が手の甲側(背側)に脱臼, さらに環指の中節骨のPIP関節内骨折, 小指の基節骨骨折と診断.
指に麻酔の注射をした後, PIP関節脱臼を引っ張って整復して, ギプス副子固定しました.

頭部外傷があるため, 脳外科に経過観察目的で入院するとのこと.
後日, 骨折に対する手術を行う予定としました.

診療中に, さらに救急隊から連絡.
玄関先で転倒後, 殿部痛がある後期高齢患者さんの受け入れ要請でした.
引き続き, 受け入れることに.

殿部打撲傷の患者

救急外来で診療中に, 次の救急車が到着.
尻餅をつくように転倒してから, お尻が痛いとのこと.

圧すと, 坐骨部に痛みがあり.
骨盤骨折がないか確認するためにCTを撮像するようにオーダーしました.
結果は, 骨折はなく, 皮下出血のみ.
立って, 歩けたので, 鎮痛解熱薬『カロナール』を処方して, 帰宅していただきました.

12時半に外来にもどって, 午後に日帰り手術を行う患者さんに麻酔と手術について説明.

午後の病院での仕事

13時に手術部へ.
13時過ぎから後輩医師による変形性股関節症に対する人工股関節置換術が始まりました.

14時前から, 親指(母指)のバネ指に対する腱鞘切開術を執刀.
予定通り15分ほどで終了.

さらに人工股関節手術を見守り, 15時過ぎにキズを閉じ始めたところで手術部を出ました.

脛骨遠位骨端線損傷の急患

自分の部屋に戻って, 昼食を摂ろうとしたところ, 外来看護師さんから電話.
足関節部の骨折が疑われる中学生の救急搬送依頼が救急隊から入ったとのこと.
市内のすべての救急病院で受け入れを断られたとのことで, 引き受けることに.

急いで昼食を摂って, 病棟に上がり, 処置を行った後, 救急外来に.

サッカープレー中に他の生徒にタックルされて転倒して受傷したとのこと.
足首が腫れて, 痛みのため足関節やつま先は動かせない状態でした.

脛骨遠位端部骨端線損傷Salter-Harris分類IV型のCT.
脛骨の遠位成長線の足関節側(骨端)が前後に割れてしまい, さらに骨端線より膝関節寄り側(骨幹端)が縦に割れて骨折しています.

引用元:Kothadia S. Paediatric Salter-Harris type IV injury of distal tibia with talus fracture. BMJ Case Rip. 2017. doi:10.1136/bcr-2017-222226.

X線写真を撮像したところ, 脛骨遠位骨端線部に骨折があり, 大きくズレていました.
追加でCTを撮像した結果, 脛骨遠位骨端線損傷(Salter-Harris分類IV型)と診断.

手術が必要な骨折でした.
腫脹が緩和した後に, 手術を行う方針として, ズレを戻したところで, ギプス副子固定.
自宅の最寄りの病院に紹介を希望されたので, 紹介状を作成して, 外来受診の予約をとりました.

骨端線損傷の分類

成長板の組織像.
骨幹端(Metaphysis)の先の成長板(Growth plate)は, 主に4つの軟骨層(休止帯Resting zone, 増殖帯Proliferatinf zone, 肥大帯Hypertrophic zone)及び石灰化帯(骨幹端Metapysisへ移行)から構成されます.

引用元:Chung R. Injury responses and repair mechanisms of the injured growth plate. Frontiers Biosci. 2011. 3.

小児の骨は, 成長過程にあるため, 『成長板(成長軟骨板)growth plate』が存在することが特徴です.
『成長板』は, 骨化が未熟な部分であり, 靭帯や腱よりも力学的に弱い部分.
このため関節周辺にズレやネジレの力が働くと, 脆弱な成長板付近で骨の損傷を生じます.
この『成長板損傷』は, 思春期頃の成長期(成長板が閉鎖する時期)に起こりやすく, 上肢よりも下肢に多いという特徴が有ります.

なお, X線写真では, 『成長板』の部分が「線」のように黒く抜けて見えるため, 日本の臨床の現場では『骨端線 epiphyseal line』と呼ばれることが多く, 『成長板損傷』より『骨端線損傷』の呼び名が多用されます.

Salter-harris分類の模式図.

引用元:Chung R. Preclinical studies on mesenchymal stem cell-based therapy for growth plate cartilage injury repair. 2011. Stem Cells Int. doi: 10.4061/2011/570125.

骨端線損傷には, 『Salter-Harris(ソルター・ハリス)分類』が用いられます.

  • Type Iは, 成長板の完全骨折
  • Type IIは, 成長板の骨折+骨幹端の骨折
  • Type IIIは, 成長板の骨折+骨端(関節内)の骨折
  • Type IVは, 成長板を通過する骨端(関節内)と骨幹端の骨折
  • Type Vは, 成長板の圧迫骨折

今回の事例は, 成長板を通過して, 骨端と骨幹端が骨折していたので, Type IVと診断しました.

16時過ぎに病棟に戻り, 紹介状作成などの溜まった仕事を片付け.
16時半から夕方の病棟回診.
入院患者さんは68人, 自分が主治医となっているのは37人でした.

17時前に病院を出ました.
外は, 蒸し暑さを感じる残暑.
まだセミの声も聞こえます.

事務作業終了

17時半に病院外の事務所に出向き, 書類チェックの作業を開始.

1時間半ほどで, 今月分のノルマを終了しました.

来月からは主任に就任するので, さらに忙しくなります.

19時半前に帰宅.

夕食後, 妻と一緒にストレッチと筋トレ.

その後は, 来週岡山市で開催される研究会のための新幹線のチケットの予約などで過ごしました,

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