午後の病院での仕事
昨日までの暖かさから一転, 今朝は放射冷却でぐっと冷え込みました. 快晴ではあるものの, 街路樹の葉はほとんど落ち, 冬枯れの景色が広がっています.
8時前に病棟へ上がり, 後輩医師と朝の回診を開始.
8時半からは朝礼と幹部ミーティングでした. 県内のインフルエンザは警報レベルに達しており, 幸い院内発生はないものの, 引き続き徹底した感染対策を継続する方針を確認しました.
その後, 外来に降りて11人の患者さんを診療.
内軟骨腫の患者

腫瘍は, MRI T2強調画像(1あ)では白く, T1強調画像では黒く写ります.
またX線写真(1c)では, 骨がふくらむようにに変形して, 内部に白い斑点状の石灰陰影が認められます.
小指が腫れて, 痛みがあり, 後輩医師のクリニックで検査の結果, 小指基節骨の骨腫瘍が疑われた高校生が紹介で受診されました.
X線・MRI所見から内軟骨腫と診断.
進学前の冬休みに手術を希望されており, 12月下旬で日程を調整しました.
大腿骨転子部骨折の患者
11時前, 施設入所中の後期高齢者が「2日前から大腿部痛と歩行困難」とのことで救急隊から搬送受け入れの依頼の連絡が入り, 受け入れることにしました.
間もなく到着して, 救急外来で診療. 10日前から発熱があり, 施設の提携病院の内科医によって訪問診療を受けていましたが, 新型コロナとインフルエンザは陰性. 何らかのウイルス感染と診断され, 症状に応じた治療が行われていました.
認知症のため転倒歴の聴取は不可能. 股関節を動かすと強い痛みがあり, 大腿骨近位部骨折を疑いX線・CTを撮影. 結果は大腿骨転子間骨折でした.
付き添いの職員さんから息子さんの連絡先を伺い, 病状と標準治療である手術について説明するため電話. 隣県に在住のため来院できないとのことで, 治療方針の判断をお願いしました. 手術を行わない場合, 歩行不能で寝たきりとなり, 褥創・感染症などで命に関わるリスクが高いことも合わせて説明しました.
しばらくして息子さんから連絡があり, 「入院も手術も不要」との回答. 血液検査では貧血もなく輸血は不要と判断できたため, 施設提携病院の内科への返書を作成し, 帰所していただくことになりました.
13時過ぎに自室へ戻り、午後に備えました。
午後の病院での仕事
15時から大腿骨転子部骨折の超高齢患者さんの手術. 後輩医師が執刀し, 自分は助手を担当. 1時間あまりで予定通りに終わりました.
この患者さんも, 連絡のつく身内は東京在住の姪御さんのみ. ご本人は認知症で聞いたことをその場で忘れてしまうため, 先週のうちに手術説明書を郵送し, 承諾書を返送していただいていました. 姪御さんによれば, もう20年以上会っておらず, 今後も会う予定はないとのこと.
連絡可能な家族がいるケースはまだ良い方で, 認知症で意思決定が困難, かつ代諾者がいない高齢者は今後確実に増えます. 医療現場としてどのように向き合うべきか, 課題は大きいと感じます.
結婚しない人も増えており, 40年後には後見人制度がどのような姿になっているのか. 私はその頃この世にいないでしょうが, 子どもたちの世代を思うと心配になります.
17時過ぎ, 無事手術が終了した旨を姪御さんに連絡.
続いて夕方の病棟回診へ. 入院患者は68人, 自分の主治医患者は32人まで減っていました.
18時前に病院を出ました. 日中は暖かかったようですが, 帰る頃には雨交じりの強風が吹いていました.
トレーニング
昨日はサボってしまったので今日にスライド.
テンポ走40分, 前後にウォームアップとクールダウンを入れて, 合計1時間ほどエアロバイクを漕ぎました. 昼間のモヤモヤが一気に晴れました.
テレビを眺めながら漕いでいると, 「明日の夜から寒気が南下し, 初雪や山沿いでの積雪の可能性」との予報.
いよいよ, スキーシーズンがすぐそこまで来ています.


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