手術日+344日目 2025/2/6(木)

昨晩から今朝にかけて, 降雪の予報だったので, 6時40分に起きました.

外を見ると, 真っ白で, 10cm程積もっていました. 雪は止んでいて, 薄日が射していました.

着替えて, クルマのエンジンをかけて, クルマの雪を下ろしました. 車の外気温モニターは, -3 ℃でした.

妻がこどもの送迎をするので, 妻のクルマの雪も下ろして, さらに家の前の雪かきもしました.

30分ほど働いて, 朝食をいただいた後, いつもより20分早く出勤しました. まだ渋滞は発生していませんでしたが, ノロノロ運転のクルマが多かったので, 裏道を使いました. 結局, いつもより15分早く病院に到着しました.

午前の病院での仕事と仙骨骨折の急患

8時から後輩医師と一緒に朝の病棟回診を行いました. 新型コロナの感染は止まっていて, 来週中には患者さんの隔離が解消できそうです.

8時半に外来に降りて, 16人の患者さんの診療を行いました. 雪のため, キャンセルされた方が数人いらっしゃいました. 救急隊から. 昨晩自宅内で転倒してから首を痛がっている90歳代後半の患者さんと, 自宅の階段を踏み外してお尻を強くぶつけてから動けなくなった20歳代の患者さんの収容依頼がありました. 今日は, 予約の患者さんが少なかったので, 救急車を2台とも受け入れることにしました.

90歳代の頚部痛の患者さんは, 後頚部と背部を痛がっていたので, 頚部と胸部のCTを撮像しました. 頚椎、胸椎、肋骨に骨折はありませんでした. 打撲傷と診断して, 鎮痛薬を処方して, 帰っていただきました.

第5仙椎骨折の事例のCT像.
骨折した部分でズレています.

引用元:White JH. Imaging of sacral fractures. Clin Radiol. 2003. 58.

20歳代の殿部痛の患者さんは, 仙骨を圧すと痛みがあったので, 骨盤のCTを撮像しました. 仙骨の5番目の部分(第5仙椎)が骨折して, 折れ曲がっていました. 入院は希望されず, 何とか歩けたので, 鎮痛薬を処方して, 整形外科クリニックに紹介しました.

また, 午前中に当地から60 km離れたところにある総合病院の救急科の同級生から電話が来ました. 当地から仕事で出張していた方が, フォークリフトに足を轢かれて救急車で搬送されたが, 足が骨折しているようなので, 診てもらえないかという相談でした. 当院で診療するので, 今日中に来ていただくように返事しました.

13時過ぎに外来診療を終えました. 自分の部屋に戻って, ランチを摂りました.

午後の病院での仕事とリスフラン関節脱臼骨折の急患

14時に外来に戻って, 3人の患者さんの診療を行いました. 新規の患者さんが2人紹介で来られたので, 今日MRIを撮像して, 診断することにしました.

14時半に, フォークリフトに足を轢かれた患者さんが来院されました.

足の骨の名前と関節の名前.
リスフラン関節脱臼骨折のHardcasstle & Qeunu分類.
Tupe Aは, 第1から第5中足骨全てが同じ方向(外側, あるいは内側)に脱臼しているもの(上図a).
Type Bは, 第1中足骨のみ(type B1)または,第2から第5中足骨が脱臼している(type B2)もの(上図b).
Type Cは, 第1中足骨は内側に, 第2〜第5中足骨は外側に脱臼しているもの(上図c).

引用元:Mulier T. The treatment of Lisfranc injuries: Review of current literature. Eur J Trauma Emerg Surg. 2010. 36. 

持参されたCTを見たところ, 足の甲の指につながる骨(中足骨ちゅうそくこつ)と足の甲の骨(楔状骨けつじょうこつ, 立方骨りっぽうこつ)の間の関節であるリスフラン(Lisfranc)関節が脱臼して, 楔状骨と立方骨が細かく粉砕するように骨折していました. 第1中足骨と内側楔状骨間では脱臼していなかったので, Hardcastle分類type B2のリスフラン関節脱臼骨折(上図b右)と診断しました.

『リスフラン』とは, フランスの外科医, 産婦人科医であるJacques Lisfranc de St. Martin(1790-1847年)先生の名前です. 直腸癌の治療における直腸の外科的切除, 子宮頸部の切断など様々な外科手術を開発されました. 一方, ナポレオン戦争 (1803-1815年) によるフランスの医師不足に際して, 産科医であったLisfranc先生も必要に迫られて戦場で負傷した兵士の治療をせざるを得ませんでした. その際に, 多数の四肢切離断手術を実施しており, 足根骨の離断術(1814年), 足根骨中足骨の離断術(1815年), 中手骨の離断術(1823年), 指節骨の切断(1823年)などがあります. 『リスフラン関節』という関節の名前は, 兵士が馬から落ちて足が鐙に引っかかった際に生じた血管損傷によって, 足部が壊疽した患者さんに対して, 足根骨中足骨離断術を最初に実施されたことにちなんで名付けられました.

ちなみに, Lisfranc先生がパリで師事されたのは, ナポレオンの痔を手術されたことで有名なフランスの外科医, 解剖学者Guillaume Dupuytren先生(1777-1835年)でした.

明日, 臨時で手術を行うことにして, 手術前の検査を行いました.

その後, MRIを撮像した新規の患者さんに説明を行って, 手術を勧めました.

患者さんの人数は少なかったのですが, いろいろあったので, 16時過ぎまでかかりました.

病棟に上がって, 16痔半から後輩医師と一緒に夕方の病棟回診を行いました. 入院患者さんは92人, 自分が主治医となっているのは48人となりました.

17時過ぎに病院を出ました. 朝積もっていた雪は大分溶けて, 道路に雪はありませんでした.

右鼡径部痛

帰宅後, スキーにワックスを塗りました. 低温の新雪が予想されるので, 低温用のワックスにしました.

現在, フランスのワックスメーカーVolaの液体ワックスのMXシリーズを使っているので, パープルにしました. 対応雪温は, -4 ℃〜-12 ℃です.

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今日は, 寒気がいったん抜けたようですが, 明日からあさってにかけてまた寒気が到来するようです. 土日の蔵王温泉スキー場がどのようになるのか, ちょっと心配です. 悪天候であれば, スキーは早々に引き上げて, 温泉でまったりするつもりです.

実は, 日曜日にスキーから帰宅した後, 歩く時に右脚の付け根の前方が痛むようになりました. 滑走中に痛めたようです.

月曜日と火曜日は結構痛くて, 少し足を引きずって歩いていました. 体重をかける時には痛みがなく, 股関節を動かしても痛みを感じないので, 手術をした大腿骨頚部骨折とは関連がないだろうと自己診断して, X線写真は撮っていません. 自転車を漕ぐ時にも痛くなかったので, 一昨日はエアロバイクを漕ぎました.

引用元:Ryan JM. Origin of the direct and reflected head of the rectus femoris: An anatomic study. Arthroscopy 2014. 30.

下前腸骨棘(上左図AIIS)を圧すと少し痛むので, おそらく, 大腿直筋のdirect head付着部(上右図参照)の腱損傷と自己診断しました.

昨日あたりから痛みが緩和してきて, 週末のスキーはできそうですが, 悪天候の場合は, 湯治します.

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