受傷日+3日目 2024/2/27(火)

骨接合器械の選択

朝は, 通常通りに出勤しました.

8時に病棟に上がって, 入院患者さんの回診を行いました. 昨日私が手術した患者さんの手術後の経過は順調で, 問題ありませんでした.

この日は, 医学部の学生さんが当病院で実習する日であったので, 9時からスライドを使ってオリエンテーションと講義を行いました.

講義後に外来に行くと, 後輩医師が, 「明日の手術器械はどうしますか?これから選んでください」とテーブルに大腿骨頚部骨折の内固定材料のカタログを10種類くらい並べていました.

「自分は, お尻の外側の皮下脂肪が薄いので, 外側に出っ張る器械は後で痛くなるかもしれないから, なるべく出っ張りが少ない器械で, あと, 近年の研究を調べたところ, キャニュレイテッドスクリューやハンソンピンハンソン・イノベーション社)は, 合併症(頚部の短縮や大腿骨頭壊死)が多いので, シンセス(Depuy Synthes社Femoral Neck System)か, ホヤ(HOYA社 HTS Twins2)か, ホムズ(HOMS社 TL2Sロックスクリューシステム)でお願いします」と答えたところ, 「じゃ, 一番出っ張りが少ないシンセスにします」ということで, Femoral Neck Systemを使うことになりました.

Femoral Neck System
Depuy Synthes社のFemoral Neck Systemは, 伸縮する棒(ロッド)と大腿骨頭の回転を制御するネジ(アンチローテーションスクリュー)と小さな板(プレート)とそれを止めるネジ(ロッキングスクリュー)から構成される大腿骨頚部骨折用の手術器械です.

引用元 Hu H. Clinical outcome of femoral neck system versus cannulated compression screws for fixation of femoral neck fracture in younger patients. J Orthop Surg Res. 2021. 16.

麻酔の選択

その後は, 外来で予約の患者さんを25人診察しました. 顔なじみの患者さんのうち数人に, デスク脇に置いてある松葉杖や, 片脚で診察台に移動して, 処置を行っているのに気付かれ, 「あら, 先生, どうしたの?」と聞かれたので, 「右脚を骨折しちゃって」と正直に答えました.

麻酔科の医師から電話が来て, 「先生, 麻酔と説明はどうする?」と聞かれたので, 「おまかせします. 説明は聞かなくてよいです.」と答えると, 「じゃ, 全麻と神経ブロックでやるね」と麻酔方法が決まりました.

過去に硬膜外麻酔は受けたことがありましたが, 全身麻酔は初めてになるので, 不安も過りましたが, どんなふうになるんだろうという好奇心の方が勝り, ワクワクしてきました.

ランチ後, 14時から外来で5人の診療をしました.

16時半から夕方の病棟回診をしました. 整形外科の入院患者さんは75人, 自分が主治医となっているのは24人でした.

ほぼ定時で帰宅しました.

手術前夜

19時から医師会の理事会があったので, オンラインで参加しました.

理事会の後, 21時過ぎに夕食を摂りました. 手術中や手術後間もなくに大便が出ないようにするために, 低残渣食として月見うどんにしてもらいました.

シャワーを浴びた後, 翌々日に予定している退院時に着る下着と洗面道具をカバンに入れて, 早めに就寝しました.

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