手術日+568日目 2025/9/18(木)(救急搬送困難事例)

午前の病院での仕事

朝は厚い雲が空を覆い, 出勤途中に強い雨が降り出しました.
そのぶん気温は上がらず, 最高気温は25 ℃の予報. 少しだけ秋の気配を感じました.

8時前に病棟に上がり, 昨日手術を行った中学生の上腕骨顆上骨折の経過を確認.
痛みも軽く, しびれもなく, 問題はありませんでした..

そのまま8時から後輩医師とともに病棟回診.
8時半からは外来へ降りて, 午前中に26人の診療を行いました. 午後には臨時手術が入っていたため, 予約外の患者さんには改めて予約を取っていただくことにしました.

診療の合間に再び病棟へ戻り, 中学生の創部を処置.
少し緊張した面持ちで目をぎゅっとつむっていましたが, 出血は止まっていて, 腫れも軽減していたので, 午後の退院を許可しました.
創部管理のため, 後輩の整形外科クリニックに紹介状を作成し, 病診連携室に予約手配を依頼しました.

外来を終えたのは正午過ぎ.
自分の部屋に戻って簡単なランチをとりながら, 午後の手術の準備を整えました.

午後の病院での仕事

大腿骨頚部骨折に対する人工骨頭挿入術前後のX線写真.

引用元:Leiter L. Treatment of femoral neck fractures using actis stem: complication rate in 188 uncemented hemiarthroplasties. Arch Orthop Trauma Surg. 2024. 144.

13時半から大腿骨頚部骨折に対する人工骨頭挿入術.
13時20分に手術部へ移動し, アルツハイマー型認知症のある前期高齢の患者さんの手術に助手として参加しました.

後輩医師の執刀で, 手術は予定通り進行.
30分ほどで人工骨頭が正確に挿入されたところで, 外来に向かいました.

午後の外来では7人を診察.
予約時間を少し過ぎてしまいましたが, 流れはスムーズで15時には終了しました.
明日から5連休に入るため, 病棟の業務を一通り確認し, 漏れがないよう慎重を期しました.

16時半からは夕方の病棟回診.
今日は退院患者が多く, 入院は70人, 自分の主治医症例は34人まで減りました.

17時過ぎに病院を出るころには, 雨はすっかり上がり, アスファルトが乾き始めていました.

救急医療病院輪番制運営協議会

救急車の素材写真.

18時半からは, 二次救急病院の輪番制運営協議会へ出席.
会場には, 各病院の院長・事務長, 大学病院救急科の教授, 医師会代表, 行政担当者, 消防関係者が一堂に会し, 救急医療体制の現状と課題について議論が交わされました.

令和6年度診療報酬改定における救急医療霊境体勢の見直し.

引用元:厚労省のHP https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001252074.pdf

議題の一つは, 『救急搬送困難事例』への対応.
これは, 救急隊が医療機関に4回以上照会を行い, かつ現場滞在が30分を超えるケースを指します.
高齢化に伴う感染症や骨折など, 入院治療を必要とする高齢患者が増加しており, この問題が顕在化しています.

このような事案を解消するために, 『救急搬送困難事例』を救命救急センターなどの三次救急病院で一旦収容してもらい, 診断・初期治療後, 中等症以下の患者さんを二次救急病院に運ぶ『下り搬送』が導入されました.

引用元:厚労省のHP https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001252074.pdf

昨年の診療報酬改定において, この『下り搬送』に対して, 救急患者連携搬送料という診療報酬が設定されました. 三次救急病院の救急外来から直接二次救急病院に患者さんを『下り搬送』した場合, 1回1,800点(18,000円)の報酬を算定することができます. 1日入院した患者さんの『下り搬送』は, 1回1,200点(12,000円), 2日では800点(8,000円), 3日では600点(6,000円)です.『下り搬送』を開始後, 今年の1月から7月までの間に『救急搬送困難事例』が1/4に減少したことが報告されました.

また, 医師・看護師の確保についても各施設から報告がありました.
物価高騰の影響で多くの病院が赤字に転落し, 看護師不足による病棟閉鎖も相次いでいます.
当院も4〜6月は赤字だったが, 7・8月にはようやく黒字へ転換したことを報告しました.

明日の準備

明日から夏休みを取り, 5年越しの和歌山旅行へ出かけます.
和歌山は未踏の地. 和歌山城, 高野山, 熊野古道と, 歴史と信仰の地を巡る予定です.

医療現場を離れて, 心と体をリセットする時間.
旅の中で感じたことを, またここに記していこうと思います.

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