朝食
昨晩は, 早く寝たため, 妻は4時過ぎ, 自分は6時過ぎには目が覚めました.
7時前に起きて, 着替えました. ホテルには, 寝間着がなかったので, 持ってきたパジャマを着ていました.
外を見ると7時過ぎでもまだ真っ暗でした. 調べたところ, ツェルマットの緯度は, 北海道の稚内市と同じくらいの高緯度でした.
7時半過ぎに朝食をいただくために, 1階の食堂に行きました.
主食は, パンでした. 各種パンが置いてありました. 自分で切って取るスタイルでした. シリアルも数種類ありました.
おかずは, ゆで卵2種類(ハード, ソフト), ハム3種類, チーズ4種類でした. これらの種類は毎日同じで, 変化はありませんでした.
サラダなどの生野菜の提供はなく, 果物はバナナとリンゴだけでした. 飲み物は, コーヒーメーカーで, エスプレッソやミルクコーヒーなどを自分で選んで入れるか, お湯を出して, ティーバッグで紅茶をいただくスタイルでした.
朝食会場は, テーブルが10組くらいで, 大分混むかなと予想していましたが, 予想外に空いていて, 自分達の他は, 3組しかいませんでした. 日本人の宿泊客は私たちだけでした.
初のマッターホルン
部屋に戻って, 窓から外を見ると, 大分明るくなってきました. よく見ると, マッターホルンの頂だけが, 朝日に照らされてオレンジ色に光って, 山陰から見えました. 初めて生マッターホルンを見ることができました. ホテルを予約したときにメールで「mountain view」とお願いしていましたが, リクエストが通っていたことが判りました.
食事を摂り始めた7時40分過ぎから, 今日窓から初めてマッターホルンを見た8時25分の間が, マッターホルンの山肌が紅く染まるモルゲンロートの時間帯であることが判りました.
スキーレンタルショップでの一悶着
スキーウエアに着替えて, ホテルの地階にあるスキーロッカーに移動しました. ここで, スキーブーツに履き替えて, スキー靴を置いて外に出ました.
スキーレンタルショップに歩いて行きました. 昨晩ホテルまで歩いて来た時と同じく道路に雪はなくて, ほぼ乾燥のアスファルト路面でした. 通りを見ると, スキーブーツのままでスキーを担いで歩いている人が多くいました.
スキーレンタルショップは, ヨーロッパで有名な『INTERSPORT インタースポーツ』さんにしました. 大手の有名店なので, サービスには問題がないだろうと期待したからです. 11年前にオーストリアのキッツビュールに行った際にも, 『INTERSPORT』をお土産の購入でしたが, 利用したことがありました. しかし, この期待は, 残念ながら裏切られることになりました・・・
ツェルマットには『INTERSPORT』のレンタルショップがいくつかありましたが, 宿泊しているホテルから最寄りの『ユーレンスポーツJuren Sports店』にしました.
予め, 日本で9月にオンラインでスキーレンタルの予約を済ませていました. 10%割引になるからです. しかし, 現地でも割引サービスを受けることができたので, 事前予約のメリットはあまり, というか後で記載するように自分にとってはほとんどありませんでした. もし, 借りたい板のブランドや種類が決まっていたり, 拘りたいのであれば, 現地に行って, いろいろなレンタル店を回って探した方がよいです. レンレルショップはたくさんあります. 自分は, 初めてだったのと, 年末年始で大分混雑するだろうから, レンタルする板がなくなっていたら困ると考えて, 予約していました.
レンタルの受付に, スマホに保存していた予約画面を見せたところ, セッティングテーブルの前に案内されました. 妻は, 技術をミディアム(中級)と記載してあったので, 出されたのは, ブリザードのフェニックスという板で156cmでした. 自分は, 技術をエキスパートと記載して, SalomonかAtomicの回転モデルの板をリクエストしていました. しかし, 出てきたのは, Atomic Redster G9という大回転モデルで, 長さが177cmでした. 「スラロームモデルをリクエストしていたし, これは長すぎる」と伝えたところ, 今度出てきたのは, 上の写真の右側に写っているブリザードのFIREBIRDでした. 確かに回転競技モデルではありましたが, 155 cmだったので, 「これでは, 自分には短すぎる」と伝えました. ストックされている板を見ると, 他にはめぼしい板が残っておらず, 焦りました.
「自分は, 昔, スキー学校で教師もやっていて, アルペンレースもやっていたエキスパートである」と食い下がったところフィッシャーのTHE CURV 164 cmを提案されました. 他に良い板がなさそうだったので, これでよいと伝えると, この板はプレミアムになるので, 40スイスフランの追加料金がかかると言われました. 仕方ないので, 支払うことにしました. 気に入らなければ, 他の板に交換できるというので, それに乗りました. 妻の板が不満足なときにも交換できるかと聞いたところ, プレミアムの板以外では, 交換サービスはしないとのことでした.
レンタルショップの受付で, 追加料金を支払いました. さらに, 追加で盗難保険は付けるかときかれたので, プレミアム板を借りた手前, 保険にも加入しました. 結局, 追加で60スイスフランかかりました.
スネガ Sunneggaへ
レンタルショップを出たところで, 昨年, 野沢温泉スキー場でも活躍したスキーキャリアストラップを板に付けて, 肩にかけて移動しました.
ゴルナーグラート鉄道ツェルマット駅まで歩いて, 駅舎に入りました. チケット売り場に進んで, ここで日本で購入していた, 国境を越えてイタリアにも滑り降りることができるインターナショナルの5日券をQRコードを見せて交換しました. 1枚あたり5スイスフランのデポジット(預かり金)がかかると言われて, カードで支払いました. 妻にチケットを渡して, すごく高い(85,000円くらいした)ので, 絶対になくなさいようにと念押ししました(一応, 無くしたときのための再発行保険も込みで購入していましたが).
チケットをホルダーに入れると, もう, スキー場に行きたくなって, ホームに入っていたゴルナーグラート鉄道の列車に乗りたくなりました.
ゴルナーグラート鉄道ツェルマット駅を出て, すぐ右手にあったグリーンラインの村内循環バスに乗りました. 事前に村内巡回バスには, グリーンラインとレッドラインの2系統があって, グリーンラインに乗って, スネガへのケーブルカー乗り場や, マッターホルングレイシャーパラダイスに登るゴンドラに乗り場に行くことは事前に調べていましたが, バス乗り場がどこにあるのかまでは調べきれませんでした.
ツェルマット駅前にグリーンラインのバス停があることは判ったので, 行ってみれば見つかるかと考えていたのですが, バス停にはスキーを持った人だかりがあったので, すぐに判りました.
間もなくバスが来ました. 日本のように特に列を作ることはなく, バスが到着すると我先にと乗り込んでいくので, 気弱な人だとなかなか乗り込めないかもしれません.
バスはぎゅうぎゅう詰めとなりました. 外国の人とこんなに密着したのは初めてでした. ヘルメットを被って, ゴーグルをヘルメットに載せてましたが, 他の人の板やストックがゴーグルのレンズに当たりそうになり, なるべく窓の方を向いて, ぶつからないようにしていました. ゴーグルカバーを付けている人が結構いたので, 後ほど購入することにしました.
間もなく, バスはスネガに登るケーブルカー乗り場近くのバス停に到着しました. バス停からケーブルカー乗り場までは, 途中でマッターフィスパ川を渡って, 100 mくらい歩きました.
スネガへのケーブルカーの入り口に到着しました. 入り口の時計は, ウブロ Hublot製でした.
ケーブルカー乗り場は渋滞していました. 黒部立山アルペンルートのケーブルカーと同じように, 階段に登って, 並んで待っていて, ドアが開くと両側から乗り込むようになっていました.
ケーブルカーも混雑して, やはりぎゅうぎゅう詰めになりました. 山の中を掘ったトンネルの中を日本で乗ったことがあるケーブルカーよりもずっと速いスピードで上がっていきました. ツェルマットからたった3分で標高差668 mの標高2,288 mのスネガまで登ります.
スネガでちょっとゲレンデに出てみましたが, 雲ひとつない快晴でした. 遠くにマッターホルンがきれいに見えました.
上から滑り降りてくるスキーの滑走音が, もろにアイスバーンのそれで, 斜面が相当硬いことが伺えました.
ロートホルンRothornへ
スネガからロートホルンへ上がるために, スネガからブラウヘルドBlauherdまでゴンドラで上がりました.
ブラウヘルドでロープウェイに乗り継ぎました. 日本では, ゴンドラ乗り場やロープウェイ降り場には, 係員や添乗員がいますが, スイスではオペレーター以外に現場に人は配置されていませんでした.
ロートホルンは標高3,103 mです. こんなに標高が高いスキー場は日本にはありません. 今日は, この辺りを滑って, 高度馴化をすることにしました.
ロープウェイ降り場のすぐ隣にテラス席のあるレストランがあったので, ランチはここで摂ることにしました. レストランのオープンは12時と書いてあったので, 11時にはテラス席に座って場所を確保しておこうと計画しました.
さて, いざ滑り出そうとして, ストックを雪に刺して立てようとしたところ, どうにも刺さりません. 雪面が硬いせいかと考えましたが, 片方は刺さります.
よく見ると, ストックの片方の先端が折れて, チップがなくなっていました. レンタルショップで借りたときに, ストックの先までは確認していませんでした. 雪面が硬いので, ストックが片方使えないと, 滑りに支障がでるかもと考えましたが, 我慢して滑ることにしました.
ロートホルンからクンメKumme(標高2,660 m)やブラウヘルドへ何本か滑り降りて, ロートホルンにまた登るというのを繰り返しました. 雪面は, 全面がアイスバーンで, 硬くて, 両脚で踏ん張るので, 疲労しました. 2時間弱滑って, 予定通り, ランチを摂ることにしました.
ランチ
マッターホルンを見ながら, ビールをいただきました. イタリアンレストランだったので, 自分はリゾットを, 妻はボロネーゼをいただきました.
1時間半ほどゆっくり休みました. 酸素が薄いせいか, スマートウォッチで心拍数を見ると, 休んでいるときが1分間に100-110回くらい, スキーで滑っている最中が140-150回でした. 普段の心拍数が50-60台, 階段を昇ったときが100回くらい, 自転車をかなり漕いだ時で150回くらい, 最大心拍数は172回なので, 高所にいるだけで相当心臓と肺に負荷がかかっていることが判りました. 日本で滑るようにどんどん滑るのは危険だと判断して, 休み休み滑ることにしました.
スイスのスキー事情
スイスは, スキーが国技だけあって, 皆さんとても上手です. 滑走スピードは速くて, だいたい70-90 km/hくらいですっ飛ばしていきます. 男性だけではなく, 女性スキーヤーも皆速いです. 自分も相当頑張りましたが, ケガ明けだったので, 記録できたのはせいぜい80 km/h弱でした.
深回りやショートターンをしている人はほとんどおらず, 浅いカービングターンでスイスイと滑っていきます. 雪面が硬いので, それが脚の負担が少ないからかと思いました. スキーレンタルショップで最初に提案されたのが, アトミックの大回転モデルだったのもそのせいかと考えます. スキー板は, 日本ではほとんどの人が165 cm前後の回転モデルを履いているのに対して, スイスの人はおよそ半分くらいは大回転モデル(180cm前後)の長い板でした. しかも, 日本では高額のシュテックリ Stöckli(日本ではなぜか『ストックリ』と表記されている)の板が多かったです.
斜面の途中で休憩している人は少なくて, リフトやゴンドラ降り場から次の乗り場までノンストップでどんどん降りていきます. スノーボーダーは, 印象としては2-3 %くらいしかおらず, ほとんどがスキーヤーでした.
ヘルメット装着率は高くて, ほとんど全員がヘルメットを付けています. 雪面が硬いので, 頭部をぶつけると大ケガにつながるからだと解釈しました.
スキー学校の先生とその指導を受けている生徒も沢山見かけましたが, 日本のようなスクール形式はなく, プライベートレッスンばかりでした. 麓から離れてスキー場内に滞在してレッスンをするので, スキー教師と生徒さんが一緒にランチを摂っていました. これも日本では見かけない光景でした.
小さな子供さんは, スクール形式でレッスンをしていましたが, 親は付き添わず, スキー教員が子供達を連れて, 麓からゴンドラやゴルナーグラート鉄道に一緒に乗って行って, 昼ご飯の面倒も見て, 夕方帰すまで丸々1日担当していました. スキー技術だけではなく, 保育のスキルが高くないとできない仕事だと感じました.
マッターホルンの山の中にもスノーエレベーターが設置された初心者ゲレンデがあって, そこでレッスンをしていました. 小さい頃から硬い雪面でスキー技術を身につけるので, アイスバーンをものともしないで速く滑る上級者だらけになるのかと感心しました.
下山
15時過ぎに下山しました. ツェルマットまで滑って降りるコースはあって, 滑り降りることは可能ですが, 下に降りるのは夏道で狭くて, さらに凍ったアイスバーンとなっていることが少なくないので, 滑り降りることは推奨しないというブログ記事を見ていたので, スネガからケーブルカーで下山することにしました.
朝乗ってきたケーブルカーに乗って, スネガからツェルマットまで降りました. まだ時間が早かったので, 空いていました.
グリーンラインのバスに乗って, 駅前まで戻り, バス停から歩いてホテルまで戻りました.
借りたかったスキーがあった
ホテルのスキー乾燥室にスキーをしまって, 部屋に戻って, 着替えを済ませた後,スキーレンタルショップに先端が折れていたストックを交換してもらうために,出かけました.
レンタルデスクで, 「自分が借りたときから折れていた」と伝えると, すんなりと交換してくれました. 朝, スキー板の選択に付き合ってくれた店員が, 「スキー板を交換しなくてよいか」と聞いてきたので, 「満足しているのでOK」と伝えました.
実際に借りたフィッシャーの板は, 普段の板よりも硬くてしなりにくかったのですが. エッヂはちゃんと立ててあって, 左右別にチューンアップされていたので, ハードバーンでもズレが少なく滑ることができました.
しかし, 驚いたのは, 自分がリクエストしていたサロモンの回転モデル(S/RACE FIS SL)を今しがた返しに来た人がいてとみえて, その場に置かれていたことでした. 先に「交換しなくてOK」と言ってしまった手前, 「これに交換してくれ」とは言い出せませんでした.
ということで, もしツェルマットでスキーを借りようというのであれば, この『INTERSPORT Julen Sports店』はお勧めしません.
買い物
夕食の予約の時間まで間があったので, 昨晩は疲れてできなかった街中の散策に出かけました.
まずは, 駅前の『モンベルツェルマットストア』さんに行きました. 『モンベル』さんは各地に支店がありますが, その支店ごとに, そこでしか売っていないオリジナルデザインのTシャツがあります. ここでツェルマット限定Tシャツを買うためでした.
自分と妻とでTシャツを1着ずつ購入しました. レジに行くと店員さんは日本人でした. 「観光ですか」と聞かれたので, 「スキーをしに来ました」と答えると, 「天気が良くて良かったですね. 休日を楽しんでください」と返されました.
続けて, すぐ隣にあるスーパーマーケット『coop』さんに来ました. ホテルの食事だと野菜が不足するので, 野菜を購入するためでした.
店舗は奥まったところにありましたが, 中は意外に広くて, たくさんの商品がありました. 野菜サラダ, ミニトマト, ビール, チーズ, ハム, 地元スイス産の赤ワインを購入しました. 大勢の買い物客で賑わっていました.
スイスは外食が高いので, ホテルに泊まって, ここで買った食事で住ませる人も少なくないとブログで読んでいましたが, これだけ食品が多く売っているのであれば, それもありだなと感じました.
チーズフォンデュ
ホテルに戻って, 購入してきた食べ物を冷蔵庫にしまった後, 夕食に出かけました.
年末年始でどこも一杯だろうと予想して, 日本で毎晩のレストランはすべて予約していました.
今晩は, 『ウィンパースチューベWhymper Stube』さんというスイス料理のお店を18時から予約していました.
マッターホルンに最初に登頂したウィンパーという登山家が定宿にしていたホテルモンテローザMonte Rosaの半地下にあるレストランでした.
「18時に予約していました」と告げると, 二人席に案内されました. お店はこぢんまりとして, 30人弱のキャパシティでした. 木が使われた壁やテーブルと明るめの照明で, 暖かい雰囲気でした.
ここでいただいたのは, チーズフォンデュです.
先に赤ワインを注文して, 飲みながら待っていましたが, 出てくるまでに40分強かかりました. 自分達より後から入ってきたお客さんに先に出していたのもあって, オーダーをミスられたようです.
本場のチーズフォンデュは白ワインがきついといろいろな記事で読んでいましたが, 予想よりもきつくはなく, 美味しくいただきました. ただし, 具材がパンとジャガイモだけだったので, 最後の方は飽きてきて, 何とか食べきりましたが, 満腹になりました. スイス滞在中は, 何回か食べようかと考えていましたが, 妻ともども, この1回でもう食べなくてもよいという結論にいたりました.
自宅でも冬になるとチーズフォンデュを作って食べています. どのようなチーズをどのような比率で混ぜるのが良いか, いろいろ調べてもなかなか判らなかったので, 本場で食べれば判るかと思いましたが, 判りませんでした.
自宅でチーズフォンデュを作るときには, スイスチーズであるエメンタール, グリュイエール, ラクレットを1:1:1の割合で混ぜてフォンデュ鍋で溶かして, IHヒーターで保温しながら食べていました. 具材は, バゲット, 芋の他に, ウィンナー, 厚切りベーコン, エビ, 帆立, ブロッコリー, 人参, マッシュルームなどでした.
ゴーグルカバーを発見
19時半前にお店を出て, 少し散策しました.
明日は大晦日(New year’s eve)ですが, 当地でも新年に花火を打ち上げて祝うようです. 教会前の広場に, 花火打ち上げ禁止の警告看板が立っていました. 11年前にオーストリアのキッツビュールで新年を迎えたときにも街中で火事になったのではないかというくらい花火が打ち上げられて, 煙が立ちこめていたのを思い出しました.
バーンホフ通りを歩いているとショーウィンドウの中にマッターホルンがデザインされたゴーグルカバーが展示されているのを見つけました. 『Zermatters』というスキー学校のオフィスが入っているビルの1階でした. そのうちこれを買いに来ようと決めました.
20時頃にホテルに戻って, 休みました.
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