手術日+623日目 2025/11/12(水)(看取り)

未明の看取り

昨日の夕方, 両下肢壊疽のある超高齢の患者さんが腹痛を訴え, 血圧が低下し始めました.
腸を栄養する血管も閉塞し, 虚血性腸炎を生じた可能性が高いと判断.
全身麻酔での開腹手術は不可能な状態であり, ご親族に危篤の旨を伝え, 病院への来院をお願いしました.

帰宅後, 夜半に血中酸素飽和度の低下が報告され, 今晩中に亡くなる可能性が高いと判断.

午前1時前, 病院から心拍停止の連絡.
死亡診断のため, 病院へと車を走らせました.

病室に入ると, 患者さんのベッドの傍らに唯一のご親族である甥御さんが座っておられました .
死亡を確認し. その旨をお伝えして, 死亡診断書を作成.

1時間半後, 葬儀会社のお迎えの車が病院に到着.
ご遺体を丁寧に引き渡した後, 見送りのために南外に出ると, 南の空にはオリオン座がくっきりと輝いていました.

帰宅は午前3時過ぎ.
家人を起こさないように静かに歩いて, 静まり返った家の中で, ようやく眠りにつきました.

午前の病院での仕事

7時に起床し, いつも通りに出勤. 朝日がまぶしく感じました.

8時過ぎに病棟に上がり, 後輩医師とともに朝の回診を行いました.
昨日, 後輩の執刀で手術を受けた2名の患者さん(変形性膝関節症に対する脛骨近位骨切り術, 脛骨近位端骨折に対する関節鏡視下骨折手術)の経過を確認.

骨折の患者さんは嘔気が強く, 食事は難しいとのこと.
制吐薬『オンダンセトロン』を投与するように指示を追加しました.

9時前に外来へ降り, 午前中は21人の患者さんを診療.
12時からは, 午後に日帰り手術を予定している患者さんに対し, 麻酔と手術についての説明を実施.

12時半過ぎに自室へ戻り, 急いで昼食をとりました.

午後の病院での仕事と表皮嚢腫の摘出

13時前に手術部へ移動し, 執刀.
今回は手部に生じた表皮嚢腫の摘出手術でした.

手に生じた表皮囊腫のMRI.

引用元:Hong SH. MRI Findings of subcutaneous epidermal cysts: Emphasis on the presence of rupture. AJR Am J Roentgenol. 2006. 186.

患者さんは超高齢でしたが, 「邪魔になる」とのご希望で手術を実施.
1年前からあったせいか, 炎症の影響で嚢腫は周囲組織と強く癒着しており, 指神経や血管を丁寧に剥離しながら慎重に操作を進めました.
およそ30分で無事に終了.

外来に戻り, 患者さんに手術結果を説明. 明日受診するように予約を入れました.

昨晩は3時間ほどしか眠れていなかったため, 15時に自室へ戻って1時間ほど仮眠をとりました.
短い休息でしたが, 頭がすっきりと冴えました.

その後, 病棟業務を行い, 16時半から夕方の回診. 入院患者さんは72人, うち38人が自分の主治医担当でした.

17時に病院を後にしました.

休息日

今日は休息日.
ストレッチと軽めの筋トレで体をほぐし, 心地よく汗を流しました.
そのあとゆっくり入浴してリラックス.

昨夜の寝不足で1日中眠かったのですが, 昼寝でリカバーできたおかげで, なんとか一日を乗り切ることができました。

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