手術日+294日目 2024/12/18(水)

午前の病院での仕事と胸腰椎多発椎体骨折の急患

昨晩は, 雨が降ったようで, クルマが塗れていました. 気温は, 4 ℃あり, 凍ってはいませんでした.

道路も塗れていましたが, 凍結はしていませんでした.

病棟に上がって, 昨日手術が行われた患者さん2人の経過を確認しましたが, お二方とも問題なく経過されていました.

8時から後輩医師と一緒に朝の病棟回診を行いました.

8時半に外来に降りて, 午前中は24人の患者さんの診療を行いました.

外来診療中に, 昨晩自宅内で転倒された後から腰痛のために動けなくなった後期高齢の患者さんの収容が可能かどうか, 救急隊から連絡が入りました. 受け入れ可能であることを伝えました.

また, 自宅のトイレで立とうとしたところ, 脚の付け根が痛くなったという超高齢の患者さんが予約外で来られました. 4年前に当科で大腿骨頚部骨折に対して大腿骨人工骨頭挿入術が行われた患者さんでした. 退院後は通院されていませんでしたが, 骨粗鬆症があったので, 人工骨頭の大腿骨に挿入した部分(『ステム』といいます)の骨折を疑って, 受付していただきました.

腰痛のため動けなくなった後期高齢の患者さんは, 肺炎で他の病院に入院していて, 昨日退院したばかりでした. 背中や腰には圧しても痛い部位がなく, 骨折があるかどうか判りませんでした. 腰椎のX線写真を撮像しましたが, やはり骨折は判らず, MRIを撮像することにしました.

一方, 脚の付け根が痛くなった超高齢の患者さんも, 股関節を動かしても痛みはなく, ハッキリしないので, CTを撮像することにしました. CTを見ると, 骨折はないため, 起きていただいて, 立ってもらったところ, 立つことができたので, 異常なしと判断して, 帰っていただきました.

腰痛の後期高齢の患者さんのMRIが撮像できたので, 確認したところ, 第11胸椎, 第2, 3, 4腰椎に異常を認め, 骨折と診断しました. 既往歴を聞いたところ, 悪性リンパ腫という血液がんの一種の治療歴がありました. 悪性リンパ腫の治療では, 副腎皮質ステロイド薬を使うことがあるので, 骨粗鬆症になりやすくなります. おそらく, 副腎皮質ステロイド薬の副作用による骨粗鬆症で骨折したと考えました. 起き上がることができないため, 入院していただくことにしました.

入院前の検査, 入院後の指示などを電子カルテに入力しました.

また, 外来診療中に, 腰椎圧迫骨折で入院して, 現在歩行訓練を行っている超高齢の患者さんの脚がむくんで腫れて, 皮膚の色が紫色に変色しているという連絡が病棟の看護師から入りました.

すぐに診に行けなかったので, 脚の静脈の超音波検査をオーダーしました. その結果, 脚の静脈の中に血液の塊(血栓)があって, 静脈が詰まっているとの連絡が来たので, 造影CTを追加しました.

「また, 静脈血栓!?」と耳を疑ってしまいました. これまで35年間医師生活を送ってきましたが, これほど静脈血栓症が頻発して, 診療に当たらなければならなくなったのは初めてです.

引用元:Park HJ. Patterns and distribution of deep vein thrombosis and its effects on clinical outcomes after opening-wedge high tibial osteotomy. Orthop J Sports Med. 2021. 20.

造影CTの結果, ふくらはぎの静脈(後脛骨静脈, 上図Posteroir tibial v.)から膝裏の静脈(膝窩静脈, 上図Popliteal v.), ふとももの静脈(大腿静脈, 上図Femoral v.), 骨盤の中の静脈(外腸骨静脈, 上図Extenal iliac v., 総腸骨静脈Common iliac v.)まで静脈の中に黒く写る血栓ができていました. さらに下腹部の静脈(下大静脈かだいじょうみゃく、上図Inferior vena cava)にまで血栓が連続していました. 直ちに血液が固まりにくくなる薬(ヘパリン)を注射して, 静脈血栓治療薬(イグザレルト)を処方しました.

14時前にやっと一段落したので, 自分の部屋に戻ってランチを摂りましたが, 次の仕事が迫っていたので, 5分で済ませました.

午後の病院での仕事

14時から患者さんのご家族と面談の約束が3件入っていたので, 病棟に上がりました.

自宅で転倒後, 胸部痛と大腿部痛のため動けずに救急搬送されて, 横紋筋融解症の発症が危惧されて大学病院から当科に照会されて入院した独居の高齢の患者さんのご家族に対して, 病状と今後の予定について説明しました. 入院時の筋肉から逸脱したタンパク質は基準値内に低下して, 横紋筋融解症腎機能の低下は生じなかったことと, 入院後の頭部MRIの結果, 脳梗塞が見つかり, それによって脱力して転倒したことを説明しました. 今後は, 脳血管障害としてリハビリテーションを行ってから退院していただく予定です.

14時半からは, あさって手術を予定していた超高齢の大腿骨頚部骨折の患者さんのご家族が, 手術をしない場合はどうなるのか聞きたいとのことで, 手術について説明して, 手術をしない場合の見通しも説明して, 明日までに手術をするかどうか返答をいただくことになりました.

また, 先週手術を予定していたところ, 大伏在静脈だけの血栓症があった患者さんのご家族が, 病状説明を受けたいとご希望されたので, 15時前から病状説明を行いました. 月曜日の時点では, まだ血栓があったので, 解消するまでは手術を実施できないことを説明しました.

さらに, 午前中に深部静脈血栓が判明した超高齢の患者さんのご家族が来院されたので, 病状説明と治療による出血リスクについて説明しました.

その後, 本日入院された患者さんの指示出し等を行い, あっという間に16時半となりました.

16時半から後輩医師と一緒に夕方の病棟回診を行いました. 入院患者さんは88人, 自分が主治医となっているのは44人となりました.

17時から, 院長, 副院長, 事務長, 看護部長, リハビリ部門長等が集まって, 月1回の経営会議を行いました. 冒頭, COOとして挨拶を行いました. その後は, 11月の収支報告等を受けました. 今月は, 残念ながら収支が赤字となりました. しかし, 各診療科別の業績では, 整形外科の外来診療数, 紹介患者数, 手術数, 入院数が右肩上がりで増加し続けており, 病院内ではトップを維持し続けていたので, その点は安心しました.

部屋の片付け

今週末は, 母親を自宅に招いて, クリスマスパーティーを行う予定です. 毎年行っていましたが, 昨年はこどもが新型コロナに感染してしまい, 中止しました.

母親が泊まるスペースを確保するために, トレーニング部屋兼ゲーム部屋となっている部屋を片付けました.

スイスへのスキー旅行の準備の他に, 年賀状の作成, ふるさと納税などやらなければいけないことが山積していて, 時間がいくらあっても足りません.

旅行の準備として, 昨日書いたジンバルの他に様々な物品を購入しましたが, それらについてブログに書いている時間もないので, 実際に使ってみてから少しずつ記述するつもりです.

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