大腿骨頚部はどこ?
大腿骨の頭側の先端で, 骨盤の凹み(寛骨臼かんこつきゅう)とともに股関節を構成する丸い部分(骨頭こっとう)と大腿骨を動かす筋肉のスジ(腱けん)が付いている太い部分(転子部てんしぶ)の間の部位が大腿骨頚部です. 脊椎動物の頭と胴をつなぐ頚(くび)の様な形状をしていることから頚(正字は頸)部という名前が付けられています(下図参照).
大腿骨頚部骨折の問題1. 関節内の骨折で骨が新しく造られにくい
大腿骨頚部は, 以下のような特徴があるため, 骨折した後に問題が起こりやすい部位です.
1. 大腿骨頚部は, 股関節を包む袋(関節包かんせつほう)の中に存在していて, 骨折した後に骨を新しく造ることによって骨をつなげる働きがある骨を覆う膜(骨膜)がないため, 骨が新しく造られにくいので, 骨がつながりにくい.
大腿骨頚部骨折の問題2. 強固に固定しづらい
2. 大腿骨頭は球体なので, 丸くてくるくると回るように動きやすく, 骨折する前の元の位置に正確に戻して, 強固に留めるのが難しい(例えるならば, たこ焼きを爪楊枝で持ち上げるようなもの?)ので, 骨がつながりにくい
大腿骨頚部骨折の問題3. 大腿骨頭壊死を生じる
3. 骨折した際に, 大腿骨頭を栄養する血管が切れてしまって, 大腿骨頭の血行障害を生じる結果, 大腿骨頭が栄養不足に陥って, 死んでしまう壊死(えし)を生じることがある.
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