骨折歴について4(46歳時, 左第8, 9肋骨骨折)

肋骨骨折の瞬間

4回目の骨折は, 左肋骨骨折でした.

2011年8月14日日曜日の午後, 山にロードバイクで登りに行きました. 当時乗っていたのは, TREKのMadone 4.5というカーボン製のロードバイクでした.

家への帰りの坂道を下っている最中, きつめの右カーブで道路の左側に寄り過ぎていたため, 路肩に貯まっていた浮砂でタイヤが滑って, バランスを崩して転倒しました. 道路脇に立木があり, そこに突っ込む形になって, 木の幹に左胸部をぶつけました. 転倒する最中, 立木が迫ってくるのがスローモーションに見えたときは, 「あ, これは死んだかも」と思いました.

転んだまま, しばらく痛みで動けないでいましたが, 手足を動かしてみて, 動くのを確認して, 脊髄損傷は免れたということでひとまず安心しました. ゆっくりと起き上がってみると, くびや腰には痛みはなく, 手足にも痛みがなく動かせました. 着ていた服は, 擦れて穴があいていました. 立ち上がってみると, 左胸の背中寄りの部分に痛みがありました.

立ち上がった後で, 次に心配になったのは, バイクが壊れたのではということでした. カーボンバイクは軽いのですが, 割れることがあります. 幸い, 自転車も無事でした. 路肩で立って自転車を点検していると, 通りがかった軽トラックのおじさんに, 「転んだの? 大丈夫か?」と声をかけられましたが, 「大丈夫です」と答えました.

自転車に乗ってみると, 左胸の痛みはありましたが, 漕いで行けそうだったので, そのまま走って家まで帰りました.

骨折後の経過

帰宅後, シャワーを浴びて, 擦りむいたキズを洗いました. 息を吸うと左胸の痛みが強くなりました.

風呂から出て, 痛みが強くなってきたので, ロキソニンを内服しました. しかし, 1時間ほど経っても痛みが引かなかったので, 家にあったオピオイド鎮痛薬(新発売されたばかりで, 製薬会社からサンプルとしてもらっていたもの)を追加で内服しました. オピオイド鎮痛薬を内服してから30分くらいで痛みが急に引いて, ほぼ痛くなくなったので, 「これは, ものすごく効くなあ」と感心しました.

夕食を摂って, 早々に寝ましたが, 夜中にまた痛くなってきて, 目が覚めたので, また, ロキソニンとオピオイド鎮痛薬を内服しました.

翌日は, 8月15日月曜日でお盆でしたが, 当時勤務していた大学病院は通常通りに営業していましたので, 朝, 6時半に出勤して, 7時から病棟の回診を行って, その後, 8時45分から13時半まで専門の外来診療を行いました. 朝食後にロキソニンを内服してきましたが, 外来診療の最中にまた痛くなってきたので, 持ってきたオピオイド鎮痛薬を内服して, 仕事を続けました.

午後は, 予定が入っていた製薬会社の方との面談を2件行った他は, 自分の部屋で休んでいました. 20時半から夜回診を行って, 21時過ぎに帰宅しました(当時勤務していた大学病院では, 朝7時から朝の回診, 夜20時半から夜の回診を行っていたので, 帰宅はどんなに早くても21時過ぎでした. 通常だと, 火曜日の朝に教授回診があったので, その準備(後輩医師に入院患者さんのプレゼンテーションを行ってもらうので, 診断名, 病歴, 臨床所見, 画像所見, 手術の術式, 合併症, 手術後の経過等をすべて教え込んでおく必要がありました)のために, 月曜日は23時〜2時くらいまで後輩医師と一緒に準備をするのが普通でした). 幸い, 翌日は, 教授も自分も夏休みをとっていたので, 早く帰れました.

8月16日火曜日は, 1日だけ夏休みをとっていましたが, 特に予定はなかったので, 自宅で過ごしました. 痛みが続いていたので, ロキソニンとオピオイド鎮痛薬を1日2回ずつ内服しました.

8月17日水曜日以降も, ロキソニンとオピオイド鎮痛薬を内服しながら, 通常の病棟の仕事や関連病院への出張等を行いました. 大学病院では, お盆期間中の1週間は手術部が休みになる(スタッフが夏休みをとるのと, 手術室の空調や電源や医療用ガスなどのオーバーホールメンテナンスが行われるので, 緊急手術用の2部屋を残して, 手術室には入れなくなり, 手術の予約はできませんでした)ので, 手術の予定もなく, 療養できたので助かりました.

8月20日土曜日は, 9時から12時まで他の病院で外来診療のアルバイトを行いました. 午後は, 研究会がありましたが, 欠席しました. 欠席した理由は, 1週間排便がなく, 腹部がかなり張って, 痛くなってきたからでした. トイレでしばらく息んでみましたが, さっぱり出る気配がないため, 仕方なく自分で摘便(指で大便を掻き出す)して, やっと排便できました. この時の苦しみと, その後のスッキリ感は忘れられません.

この強度の便秘の後からは, オピオイド鎮痛薬を内服するのは止めました. これを教訓として, 患者さんにオピオイド鎮痛薬を処方する時は, 必ず便秘薬を処方して, 3日以上貯めないようにと指導しています.

骨折の診断と自転車レースの出走断念

さて, 8月22日月曜日になっても, まだ左胸の痛みが続いていたので, この日になってやっと自分の肋骨のX線写真を撮りました. その結果, 第8, 9肋骨が骨折していることが判りました.

分かりにくいのですが, カーソルの矢印が指している第8肋骨とその下の第9露骨が骨折していました.幸いズレは少なくて済みました.

9月4日日曜日に開催されるヒルクライムという自転車で山に登るレースに初めて出るためにエントリーしていた(元々, 8月15日に山に登ったのも, レースの練習のためでした)のですが, あと2週間で骨折は治らないと判断して, 出走はあきらめました.

しかし, 9月4日日曜日になると, あきらめきれずに早起きしてレース会場まで行きました. 痛みは大分引いてきてはいましたが, 出走は見合わせて, 一緒に出るはずだった後輩医師のスタートとゴールを見届けてから帰宅しました.

骨折が判った後, 経過を診るためのX線写真は撮りませんでしたが, 5週間ほど経った9月下旬には, 骨折は治ったようで, 痛みは感じなくなりました.

この自転車での転倒骨折以降, 山道を下る際には, 対向車に気をつけながら, なるべく中央線寄りを走行するようにしています.

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