手術日+667日目 2025/12/26(金)(重症筋無力症)

午前の病院での仕事

今朝は非常に風が強く, みぞれ交じりの雨.
気温は5 ℃でしたが, 体感温度はそれ以下に感じました.

8時前に病棟へ.
昨日入院した大腿骨転子部骨折の前期高齢患者さんを訪室しました.
前日は高度貧血で顔色が悪かったのですが, 輸血の効果で血色は明らかに改善していました.

8時から朝の病棟回診.
8時半からはカンファレンス.
本日は総合診療科医師による高コレステロール血症と心血管イベントの関連についての抄読会でした.
飲酒が危険因子とのことで, さらに節酒しようと考えました.
続いて, 再来週の手術前カンファレンス.
1月第1週は6件の手術を予定しています.

9時前に外来へ.
午前中は39人の患者さんを診療.
合間に, 昨日輸血した患者さんの採血結果を確認すると, ヘモグロビンは8.9 g/dLまで改善.
来週月曜日の手術を予定し, 本日も追加の輸血をオーダーしました.

10時前, 今日も救急受け入れ要請.
今朝自宅で転倒後, 鼡径部痛のため立てなくなった後期高齢者でした.
予約は満杯でしたが, 当院脳神経内科に通院中とのことで, 昼過ぎの診察で了承いただきました.

重症筋無力症に大腿骨頚部骨折を合併した急患

大腿骨頚部骨折のAO/OTA分類.

引用元:Meinberg EG. Fracture and Dislocation Classification Compendium-2018. J Orthop Trauma. 2018. 32.

12時半過ぎ, 外来を終えて救急患者さんを診察.
鼡径部の圧痛が強く, 大腿骨頚部骨折を疑ってX線撮影をオーダー.
結果は予想通り, 大腿骨頚部骨折(AO/OTA分類 31B2.3r).
転位型であり, 人工骨頭挿入術の適応です.

重症筋無力症に生じた胸腺腫のFDG-PET(左)とCT(右).
PETでは, 心臓前方にある胸腺に集積を認めて, 黄色に写っています.

引用元:Priola AM. Imaging of thymus in myasthenia gravis: From thymic hyperplasia to thymic tumor. Clin Radiol. 2014. 69.

既往として重症筋無力症があり, 胸腺摘出術後.
20年以上副腎皮質ステロイド薬プレニゾロンを内服されていたため, 副腎の機能低下の可能性があり, 手術侵襲に伴う副腎クリーゼのリスクが懸念されました.
手術などの侵襲に対して, 副腎の機能が低下しているために副腎皮質ホルモンが分泌されないと, 低血圧, 低血糖, 脱力感, 腹痛, 吐き気, ショックなどを引き起こす生命に関わる緊急事態を生じる危険性があります.
回避のためには, 手術中・後にステロイド薬を投与(ステロイドカバー)しなければいけない場合があります.
主治医の脳神経内科医が本日不在のため、来週改めて相談することに.

手術は年明けになる見込みであることを説明し, 入院前・手術前検査をオーダーして入院となりました.

14時過ぎ, ようやく昼食.

午後の病院での仕事と腰痛の超高齢者の急患

昼食中, 再び救急車受け入れ要請.
今度は腰痛を主訴とする超高齢男性.
前日にも当科を受診し, 後輩医師に骨折なしと診断され帰宅されていましたが, その後も自宅で転倒を繰り返し, 動けなくなったとのこと.

15時, 救急外来で診察.
90歳を超えていましたが, 応答は明瞭.
訴えは腰というより殿部(腸骨部)の痛みでした.
前日の腰椎のX線・CTを確認しましたが, 骨折なし.
本日も骨盤のCTを撮像しましたが, やはり明らかな骨折は認めず.
MRIで不顕性骨折を確認したいところでしたが, 心臓ペースメーカー留置のため不可.

介助して起こしてみましたが, 疼痛のため体を起こすことが困難.
入院対応としました.
遠方に住むご家族には電話で説明.
自宅に残された要介護状態の奥様については, ケアマネジャーと連携し, ショートステイで対応することになりました.

高齢者救急の激増

近年, こうしたケースが明らかに増えています.

仙台市の将来の救急出場件数及び救急搬送人員の推計.
2060(令和42)年まで増え続け, 現在よりも2割程度増えることが予想されています.

引用元:救急需要将来推計. 仙台市ホームページ.

高齢者人口は2040年まで増え続けます.
仙台市の推計では, 救急搬送件数は2060年まで増加し続け, 現在より約2割増える見込みです.

高齢者救急への対応強化は不可欠ですが, 人手不足と病院医療の逼迫が進む現状で、本当に対応しきれるのか?
不安は尽きません.

16時半から病棟看護師, 特定看護師, リハビリスタッフ, 介護福祉士, 管理栄養士と一緒に病棟回診.
患者さんの情報を共有しながら, 今後の方針を確認しました.
入院患者さんは73人, 自分が主治医となっているのは35人となりました.

17時半過ぎに病院をでました.

外は雪が降っていて, クルマにもうっすら積もっていました.
スキー場のコンディションが回復していることを期待します.

年賀状作成

帰宅後, ストレッチと筋トレ, 入浴.
夕食後, 年賀状作成へ.

こどもは今日が仕事納めで9連休とのこと.
「それだけ休みがあれば海外スキーに行けるな」
そんなことを考えながら, 今年正月に訪れたツェルマットで撮影した写真を年賀状に使用しました.
ミラノとツェルマットで過ごした休日がずいぶんと前のことのように思い出されました.

印刷しようとしたところでインク切れ.
完成は週末に持ち越しです.

ピアスの孔開け

こどもからの依頼で, ピアスの孔開け.
職業柄, 普段は着けられないため, 連休前の今日このタイミングにぜひとのこと.

以前, クリニックでのバイト勤務時に自由診療で行っていた手技.
当時の施術料は1万円でした.

「開けるならやってあげるよ」
「ピアスは, プラスチックではなく, チタン製じゃないとダメ」
と言っていたのを憶えていたようで, いつの間にかピアッサーも準備済みでした.

耳たぶの位置を決め, 消毒後にピアッサーで穿孔.
10数年ぶりでしたが, 問題なく, きれいに仕上がりました。


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