手術日+653日目 2025/12/12(金)(髄内釘固定術後の大腿骨頚部骨折)

雪の朝

昨晩は雪が降り, 目覚めると道路脇や屋根にうっすらと雪化粧.
気温は 1℃.
クルマの雪を払って, いつもより早めに家を出ました.

路面に積雪はなく, 渋滞もなし.
冬の朝としては, 静かで穏やかな出勤でした.

午前の病院での仕事と膝関節偽痛風の急患

8時から病棟回診.
8時半からはカンファランス.
今日は口腔外科医による症例報告でした.
引き続いて, 来週の手術前カンファランス.
来週は, 8件の手術を予定しています.

9時前から外来診療を開始.
午前中は23人の患者さんを診療しました.

その途中, 当科通院中の患者さんが,
「急に膝が痛くなって歩けなくなった」
とのことで, 救急搬送の要請.
受け入れ可能と返答しました.

搬送されてきたのは超高齢の患者さん.
骨粗鬆症の治療中で, 最近転倒が増え, 2週間前には中手骨骨折を受傷し, 現在ギプス固定中でした.

膝関節は腫脹と熱感が強く, 急性関節炎と診断.
偽痛風を疑い, X線撮影と血液検査をオーダーしました.

膝関節偽痛風の事例のX線写真.
外側半月板に石灰沈着の白い影を認めます.

引用元:Yoo Y. Gout and coexisting pseudogout in the knee joint. Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc. 2011. 19.

X線写真では外側半月板に石灰沈着.
炎症反応の指標であるCRP(C-反応性タンパク: 基準値0.3mg/dL未満)は, 7.4 mg/dL と高値.
膝関節偽痛風と診断しました.

膝関節内に炎症を鎮める目的で副腎皮質ホルモン注射薬デキサートを注射し, 鎮痛薬を処方.
痛みが軽減したことを確認して, 帰宅していただきました。

13時過ぎに午前の診療を終了.

午後の病院での仕事と髄内釘抜去+人工骨頭挿入術の手術

昼食を急いで済ませ, 13時半前に手術部へ.

大腿骨骨幹部骨折に対して, 髄内釘固定術後に大腿骨頚部骨折が判明した事例のX線写真.
髄内釘を外側から貫通するように横方向に入っているネジがロッキングスクリューです.

引用元:McDonald LS. A cascade of preventable complications following a missed femoral neck fracture after antegrade femoral nailing. Patient Saf Surg. 2013. 7.

後期高齢者の大腿骨頚部骨折に対する人工骨頭挿入術.
ただし, この患者さんは10年前に大腿骨骨幹部骨折を受傷し, 髄内釘固定術が行われていました.

まずは, その髄内釘を抜去する必要があります.

後輩医師の執刀で手術開始.
しかし, 髄内釘を横方向から固定していたロッキングスクリューが折損しており, これが引っかかって抜去できないというトラブルが発生.

大腿骨をノミで慎重に削りながら, 折れたネジを露出させ, ようやく抜去.
その後, 通常通り人工骨頭挿入術を行い, 手術時間は約2時間半要しました.

16時前に手術部を独り離れて, 病棟へ.
毎週金曜日恒例の 多職種回診(看護師, リハビリスタッフ, 管理栄養士, 社会福祉士)を実施.
リハビリの進捗や退院先の調整などを共有しながら, 回診を行いました.
入院患者さんは79人, 自分が主治医となっているのは35人でした.

17時半まで病棟業務を行い, 病院を後に.

帰宅時のクルマの外気温モニターは0 ℃でした.

外に出ると, 身を刺すような寒さ.
帰宅時のクルマの外気温モニターは0℃.
日中の最高気温も2℃に届かず, 真冬の一日でした.

お酒

帰宅後は, ストレッチと筋トレ.
入浴後に夕食.
この日のメニューは, 蕪と豚肉の鍋.

日本酒『那智の滝』.


お供は、夏休みに訪れた和歌山で出会った日本酒那智の滝.

和歌山県産の酒米と, 熊野の清冽な水で醸された一本.
穏やかな旨みと柔らかな口当たりが, 冷え切った身体にじんわりと染み込みました.


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