手術日+436日目 2025/5/9(金)(肩関節脱臼骨折)

午前の病院での仕事と肩関節脱臼骨折の患者

今朝も快晴で爽やかな朝でした. 気温は低めで, 14 ℃でした.

昨晩入院された患者さんがいらっしゃったので, 早めに出勤しました.

上腕骨近位端骨折のAO/OTA分類.
入院された患者さんは, 上腕骨近位端が4つに割れた4パート骨折で, 分類は11C3.1でした.

8時前に病棟に上がって, 昨晩入院された肩関節脱臼骨折の患者さんのX線写真を確認しました. 上腕骨の肩関節部分が上腕骨頭, 大結節, 小結節, 上腕骨遠位部の4つに割れた骨折で, 上腕骨先端部(上腕骨頭)が肩甲骨の前方に脱臼していました. AO/OTA分類は11C3.1でした(上図). 腕を引っ張っても骨折して脱臼した上腕骨頭には牽引力がかからないため, 脱臼した上腕骨頭を元の位置に戻すことは不可能と判断しました.

肩関節脱臼骨折(上腕骨近位端4パート骨折)に対する上腕骨人工骨頭挿入術の事例のX線写真.

引用元:Obert L. Cementless anatomical prosthesis for the treatment of 3-part and 4-part proximal humerus fractures: cadaver study and prospective clinical study with minimum 2 years followup. SICOT J. 2016. 22.

上腕骨近位部4パート骨折の事例のX線像(A)とCTの立体構築像(B)、およびそれに対するリバース型人工肩関節全弛緩術のX線像(C, D).

引用元:Jeong JJ. Non-fracture stem vs fracture stem of reverse total shoulder arthroplasty in complex proximal humeral fracture of asian elderly. Arch Orthop Trauma Surg. 2019. 139.

後日, 手術することになりますが, ご高齢なので骨がつながることは期待できないため, 骨折した上腕骨頭を摘出して人工骨頭を挿入する手術か肩関節を人工肩関節に取り換える手術になると考えました.

8時から後輩医師と一緒に朝の病棟回診を行いました. 入院されていた肩関節脱臼骨折の患者さんは, 左腕を三角巾で吊った状態で寝ていました. 既往歴に糖尿病があったため, そのコントロール状態を評価してから手術を行うことを告げました.

8時半から講堂に集まって, 手術前のカンファランスを行いました. 来週は, 10件の手術を予定してます.

9時前に外来に降りて, 35人の患者さんの診療を行いました. 外来診療中に, 昨日入院した患者さんが膝関節を痛がっていて, 立てないと訴えていると病棟の看護師さんから連絡がありました. 膝関節のX線写真を撮るようにオーダーを入力しました.

13時に自分の部屋に戻ってランチを摂りました.

午後の病院での仕事と非定型大腿骨骨折の手術

13時半から大腿骨転子下骨折(非定型大腿骨骨折)の高齢患者さんの手術があったため, 手術部に移動しました.

後輩医師の執刀で13時過ぎから手術が始まりました. 助手は, 大学病院から診療応援にいらっしゃった後輩医師が務めました. 私は, 外で見守っていました.

大腿骨転子下の非定型大腿骨骨折の事例のX線写真(Scheme 1)と髄内釘固定手術後のX線写真(Scheme 2),

引用元:Misca LC. Management concepts of bisphosphonate-related atypical remoral fractures. J Clin Med. 2025. 14.

手術は, 髄内釘という金属製の棒を大腿骨の中に挿入する手術でした. 予定通り1時間あまりで終了しました.

15時過ぎから病棟に上がって, 入院患者の手術後の処置や指示を電子カルテに入力しました. 午前中に診た肩関節脱臼骨折の患者さんの血液検査の結果を診たところ, 血液中の糖(血糖値)が400 mg/dL近くで異常に高くなっていました(基準値は, 食後で140 mg/dL以下, 食前で110 mg/dL以下). ヘモグロビンA1c(赤血球に含まれるヘモグロビンというタンパク質に糖が結合した糖化したヘモグロビンの割合で, 過去1~2ヶ月間の平均的な血糖値を反映します)は9.2 %(基準値は5.6 %以下)でした. もともと糖尿病でインスリンを注射する治療を行っていましたが, きちんと血糖を下げるようにコントロールされていなかったと判断しました. 糖尿病の治療を行って, 血糖値を下げないと麻酔をかけられないので, 当面はインスリンの量を調整して, 血糖を下げる必要があります.

脛骨近位端内顆の陥没骨折のCT前額断(a.)と骨折モデル(b., c.).

引用元:Bryson NJ. Three-column classification system for tibial plateau fractures: what the orthopedic surgeon wants to know. Radiographics. 2021. 41.

また, 膝を痛がっていたので診察したところ, 膝関節が腫れていて液体が貯まっている所見がありました. 液体を抜くために膝関節に注射針を刺して抜いたところ, 血液が25 mL貯まっていました. 関節の中のどこかが骨折していると疑って, X線写真を撮像したところ, すねの骨(脛骨)の内側(内顆)が凹むように骨折していました(上図参照). 安静のため, ギプス製の板(副子)をあてがって, 膝関節を固定しました. 明日, CTを撮像して, 骨折部を確認して, 手術が必要かどうかを判断することにしました.

16時から看護師, リハビリスタッフ, 社会福祉士, 管理栄養士と一緒に病棟回診を行いました. 入院患者さんは80人, 自分が主治医となっているのは39人でした.

17時から, オンラインで製薬会社の方と面談を行って, 薬についての情報提供をしていただきました.

17時半過ぎに病院を出ました. 外に出ると温かく, 今日も気温は22 ℃ありました.

明日のスキーもお休み

帰宅後, エアロバイクと1時間漕いで, 入浴しました.

明日の天気予報をみましたが, 朝から雨のようなので, スキーに行くのは断念しました. 多くのスキー場が5月6日で今シーズンの営業を終了しました. 現在, 近場で営業しているスキー場は,

の3箇所になります.

ネコママウンテンは, ゴールデンウィークまでは朝5時55分から営業していましたが, 今週からは7時30分からの営業に変更されました. 天元台高原スキー場は, ロープウェイに乗って上がる必要があります. 月山スキー場は, ペアリフトが1本しかありません. 明日はネコマ マウンテンに行くつもりでした.

日曜日以降, 雨が降らない日を選んで, ネコマ マウンテンに行く予定です.

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