午前の病院での仕事と鎖骨骨折の急患
今日は, 朝から雨でした. 弱い雨でしたので, 傘をささずに外に出ました. 気温は低めで, 12 ℃でした.
8時前に病棟に上がって, 変形性膝関節症の患者さんに対して後輩医師が執刀した人工膝関節全置換術の患者さんと脛骨近位骨切り術の患者さんの手術後の経過を確認しました. お2人とも痛みを訴えていられましたが, 特に問題なく経過されていました.
8時から後輩医師と一緒に朝の病棟回診を行いました. 途中で, 看護師さんに呼び止められて, 後輩医師が主治医となっている大腿骨頚部骨折の保存療法中の超高齢の患者さんが息苦しいと訴えていると告げられました.
患者さんは, 一昨日に発熱はなかったものの, 炎症反応が高値だったのと, 胸部X線写真の結果から肺炎と診断されて, 抗菌薬が投与されていました. 息苦しくて, 起き上がっていないといられないという起座呼吸の状態でした.
一昨日に取られた胸部X線写真を見てみましたが, 明らかな肺炎の所見はありませんでした. 主治医である後輩医師は, 今日から学会に出張しているので, 代わりに血液検査と胸部X線写真を撮像するようにオーダーを入力しました.
8時半に外来に降りて, 24人の患者さんの診療を行いました.
今日も予約なしで, 飛び込みの患者さんがいらっしゃいました. 昨晩, 自宅内でトイレに起きて行く際に転倒して, 肩をぶつけてから痛みがあるという超高齢の患者さんでした. 診察すると, 痛みのために肩関節を挙げることができず, 肩周囲を圧してみると, 鎖骨の遠位部に痛みと轢音(骨同士が擦れてぶつかるゴリゴリとした音)がするので, 鎖骨遠位端骨折を診断して, X線写真を撮像するようにオーダーしました.

受傷後(A)では, 骨折部にズレがなかったため, 手術を行わずに治療した結果, 骨がつながって治っています(B)
できあがったX線写真を見たところ, 鎖骨の遠位部が骨折していましたが, 幸いズレがなかったため, 肩関節を水平以上に挙げないように指導して, 帰宅してもらいました.
息苦しさを訴えていた患者さんの胸部X線写真を見たとこと, やはり肺炎の所見がなかったことから, 心不全を疑って, 循環器内科の医師に診てもらうことにしました. 念のため, 胸部CTも撮像することにしました.
12時半に自分の部屋に戻ってランチを摂りました.
午後の病院での仕事と原発不明癌の患者
午後は, 14時から後輩医師の執刀で, 日曜に入院した大腿骨頚部骨折の高齢患者さんの大腿骨人工骨頭挿入術でした.
14時前に手術部に移動して, 助手を務めました. 1時間過ぎて, 順調に進んで皮膚を閉じるところまできたので, あとは後輩医師に任せて, 病棟に上がりました.
午前中にオーダーした, 胸部CTができあがったので見たところ, やはり肺炎の所見はありませんでした. その代わりに, 両側の肺の中に多数の白い丸い影(結節状陰影)があるのが判りました. 体内の癌が肺に転移した転移性肺腫瘍と診断しました. これまでに癌の既往がないことから, 現在体内のどこかに癌が存在していて, その癌細胞が血管の中に侵襲して, 全身に拡がっている状態(原発不明癌)と考えました.

引用元:Stella GM. Lung-seeking metastases. Cancer (Basel). 2019. 19.
これまでに撮像された画像検査の結果を見直したところ, 股関節のCTでお腹の中に腫瘤があるのを見つけました. 部位からは, 大腸癌を疑いました.
お腹の腫瘤が大腸癌なのかどうか, 他に元の癌がないかどうかを調べるために全身の造影CTを撮像するようにオーダーしたところ, 患者さんがすでに昼食を摂ってしまっていたので, 明日に延期しました.
17時前になったので, 今日も夕方の病棟回診はキャンセルしました. 入院患者さんは83人, 自分が主治医となっているのは43人でした.
17時から病院の経営会議に出席しました. 3月期の実績報告と, 2024年度の実績報告を事務長から受けました. 3月期も, 2024年度通期もどちらも経常利益は黒字を確保出来たので, 経営責任者としてひとまず安心しました.
17時半過ぎに病院を出ました. 雨はすっかり上がっていて, 地面は乾いていました.
整形外科同門役員会議
帰宅後, エアロバイクを1時間漕いで, 急いで入浴しました.
19時半から整形外科学教室の同門の役員会議がオンラインで開催されたので, 参会しました. 今後の同門会の役員の役割変更, 開催方法, 会費等について協議しました.
1時間ほどの会議後に, 夕食を摂ってから, 来月に医師会主催の講演会で使うスライドを作成しました. エアロバイクを漕いだせいで眠かったのですが, 午前1時半までスライドの資料を集めました.
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