手術日+288日目 2024/12/12(木)

午前の病院での仕事

今朝は冷え込みました. 外に出ると雪がちらほらと降っていましたが, 積もってはいませんでした.

病棟に上がって, 昨日手術が行われた患者さん2人の経過を確認しました. お一人は, 夜間に大分痛みが強かったようで, 鎮痛薬の点滴を3回受けられていました.

8時から後輩医師と一緒に朝の病棟回診を行いました. 昨日入院されたリウマチ性多発筋痛症の患者さんは, 痛みが引いて, 朝食を摂られていました. また, 昨日入院された横紋筋融解症の発症が危惧された患者さんは, 朝方に尿の量が少なくなったため, 尿を増やす薬(利尿薬りにょうやく)を使いましたと病棟看護師さんから報告を受けました. 患者さんは, 昨日より痛みが引いて, ベッド上で起き上がって, 朝食を食べていました.

8時半に外来に降りて, 午前中は46人の患者さんの診療を行いました.

外来中に, 横紋筋融解症が危惧された患者さんの血液検査の結果を確認しましたが, クレアチンキナーゼは1,700 U/Lで昨日より減っており, 腎臓機能障害も生じていませんでした.

外来診療中に, 整形外科クリニックの先輩医師から電話が入りました. 2週間前からふとももを痛がっていた95歳過ぎの超高齢の患者さんが今日受診されて, X線写真を撮像したところ大腿骨頚部骨折があったので, 引き受けてもらえないかと打診されました. 痛みが出る前までは, 歩いていられたとのことでしたので, 手術を前提としてお引き受けすることにしました.

お昼過ぎに連絡いただい大腿骨頚部骨折の患者さんが家人の車に乗せられて到着しました. 転位型の大腿骨頚部骨折であったので, 人工骨頭挿入術の適応でした.

手術前と入院前の検査のオーダーと入院後の指示を電子カルテに入力しました. 13時半前にやっと外来診療を終えました.

13時半に自分の部屋に戻って, ランチを摂りました.

午後の病院での仕事と大腿骨転子部骨折の急患

14時前に外来に戻りました. 午後の外来の予約は2人だけだったので, 貯まっていた仕事を片付けようと考えていましたが, 今日も救急隊から電話が入りました. これまた95歳過ぎの超高齢の患者さんが, 施設内で転倒してからふとももが痛くて立てなくなったので収容可能かどうかという照会でした. 午後は時間があったので(救急車受け入れでなくってしまいましたが), 受け入れることにしました.

予約外の患者さんも含めて, 4人の患者さんを診療し終えたところで救急車が到着しました. X線写真を撮像したところ, 予想撮りに大腿骨転子部骨折でした. 認知症はなく, 会話も明瞭で, 80歳代前半にしか見えない若々しい患者さんでした. 手術治療を前提として, 手術前検査のオーダーと入院後の指示を入力しました. こどもさんが遠隔地に勤務中とのことだったので, 病院に到着するまでの間, 救急外来で待っていていただくことにしました.

15時半に明日手術を予定している患者さんの家族が到着したとの連絡が来たので, 手術の説明のために病棟に上がりました. 手術と輸血の説明を文書を持ちいて行いましたが, 30分ほどかかりました.

16時に救急外来で待機していた大腿骨転子部骨折の患者さんの子供さんが到着したとの連絡が入ったので, 救急外来に戻りました. X線写真とCTを見ていただいて, 入院と手術を含む今後のスケジュール, さらに輸血が必要となる可能性があるので, 輸血の説明を行いました.

入院患者数の最多記録を更新

16時半過ぎに病棟に上がって, 後輩医師と一緒に夕方の病棟回診を行いました. 入院患者さんは89人, 自分が主治医となっているのは49人に増えました. 整形外科入院患者さんの総数は, 最多を更新しました.

明日手術予定の患者さんに大伏在静脈血栓が判明

回診後病棟に戻って, 今日入院された患者さんのデータや画像検査を確認して, カルテを記載していたところ, 明日手術を行う患者さんが脚の深部静脈血栓症を生じていないかどうか確認するための超音波検査の結果報告書が病棟に上がってきました.

大伏在静脈は, 皮膚の下を通っている静脈(皮下静脈)の中で, 最も太い静脈(上図の太い水色で描かれた血管)です.
足の内側からすね・膝・ふとももの内側を通って, 脚の付け根(鼡径部そけいぶ)でふとももの静脈(大腿静脈)に合流します.

検査レポートを見たところ, 脚の中の筋肉などの深い部位を通っている深部静脈に血栓はありませんでしたが, 大伏在静脈という名前の皮下静脈(上図参照)の大腿静脈への合流部に近い部位に血栓があることが判りました.

深部静脈血栓がある場合は, 肺塞栓症を生じる危険があるため, 基本的には手術を中止して, 血栓の治療が必要となりますが, 大伏在静脈の血栓でも同様の危険があるのか判らなかったため, 急いで文献を調べました.

その結果, 大伏在静脈だけの血栓症患者さん40人中3人(7.5 %)で深部静脈血栓に進展し, そのうち1例は肺塞栓も生じたという研究論文がありました(Kim SH. Isolated proximal greater saphenous vein thrombosis and the risk of propagation to deep vein thrombosis and pulmonary embolism. Vas Health Risk Manag. 2018. 14.).

また, 大伏在静脈だけの血栓症患者さんのうち, 血栓の部位が大腿静脈との合流部位から5 cm以内の近い部位だった37人中7人(18.9 %)で肺塞栓症を生じており, 合流部位から5 cmを超えて離れていた群よりも明らかに多かったという報告もありました(Kudlaty E. Isolated great saphenous vein thrombus Is associated with high rates of complications regardless of management. 2017. 5.

以上の研究結果を踏まえて, 大伏在静脈だけの血栓症でも肺塞栓症を生じる危険性が低くないと判断して, 明日の手術は中止しました.

患者さんの病室を訪れて, 明日の手術が中止になることと, これから血栓症に対する治療薬を投与することを伝えました.

19時前に病院を出ました. 気温はかなり低く, クルマの屋根にはうっすらと雪が積もっていて, フロントガラスは凍っていました. 車の外気温モニターは, 1 ℃でした.

ミラノ観光の予定

年末のスイススキー旅行ですが, イタリアのミラノ経由で行く予定です.

帰宅後, ミラノでの観光予定を立てました. ミラノでの滞在時間は, 朝起きてから15時過ぎのツェルマット行きの電車の発車時刻までの8時間くらいです.

世界遺産である『最後の晩餐』は, 公式HPからの予約は至難のワザであるため, オプショナルツアー会社『Get YourGuide』さnのガイドツアーを11時30分からの枠で予約しました.

また, 『ドゥオーモ』の内部と屋上の見学も, 同じ会社で予約しました. 『最後の晩餐』前に『ドゥオーモ』を見たかったのですが, 29日の日曜日の午前中はミサがあるためなのか, 見学時間は午後にしか設定枠がありませんでした. 午後一の13時からの枠を予約しました.

というわけで , ドゥオーモの見学(13時から14時)から電車の発車(15時10分)までがかなりタイトになります.

移動は, 地下鉄で行う予定ですが, 道順を間違えないように, 入念に確認します.

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