手術日+658日目 2025/12/17(水)(骨肉腫のMRI)

午前の病院での仕事

昨晩は小雨でしたが, 今朝は一転して青空.
雲の切れ間から陽射しが差し込み, 少し気分が軽くなる朝でした.

8時前に病棟に上がり, 昨日後輩医師の執刀で手術が行われた患者さん2人(変形性膝関節症に対する単顆型人工膝関節部分置換術, 膝前十字靭帯損傷に対する関節鏡下前十字靭帯再建術)の経過を確認. いずれも問題なく経過されており, ひと安心.

8時から朝の病棟回診.
今日は後輩医師が不在で, 独りでの回診でした.

8時半に外来に降り, 午前中は29人の患者さんを診療.
今日は予約患者さんのみで, 外来は終始スムーズに進行.
11時半過ぎに診療を終えました.

その後は, 来週予定している10件の手術についてカンファランス用スライド作成.

さらに, 手術簿の整理, 日本整形外科学会が運営する手術データベースJOANRへの登録作業など, 溜まっていた地味な事務作業を淡々と進めました.

午後の病院での仕事

15時過ぎに, ようやく遅めの昼食.

午後は手術予定がなかったため, 年末を見据えて入院患者さんの指示をまとめて入力.

16時半から夕方の病棟回診.
入院患者さんは79人, 自分が主治医として担当しているのは33人でした.

病院経営会議

17時から病院幹部が集まり, 経営会議.

事務長から11月の収支報告があり, 10月は経常利益が黒字だったものの, 11月は再び赤字に転落.

今年度は通期でン千万円規模の赤字となっています.

昨日, 国会で補正予算が成立し, 赤字病院への補助金が交付されることになりました.
これにより赤字は解消できそうですが, それに甘えることなく, 年度内での黒字化を目標に
もう一段ギアを上げていく必要があります.

17時半過ぎに病院を出ました.

骨肉腫の画像診断

帰宅後, ストレッチと筋力トレーニング.
ゆっくりと30分あまり, 可動域を意識しながら身体を動かし, 汗をかきました.

入浴を終え, スマートフォンを見ると, 大学時代からの親友で, 現在は整形外科クリニックを営んでいる医師から着信が入っていることに気づきました.

すぐに折り返すと,
「4週間前から膝の痛みが続いている19歳の患者さんがいて, MRIを一度診てほしい」
とのこと.

15歳の骨肉腫患者のMRI.
T1強調画像(A)では, 白く写る骨内の脂肪成分が灰色に変化しています.
T2強調画像(B)では, 骨内及び骨外の腫瘍が白く描出されています.
ガドリニウム造影像(C)では, 血管が増生している部分は白く描出される一方, 骨内の腫瘍の中央部は血行障害による壊死を生じていて, 造影効果が認められません.

引用元:Crombé A. Imaging of osteosarcoma: Presenting findings, metastatic patterns, and features related to prognosis. J Clin Med. 2024. 13.

送られてきたMRIを一目見て, 典型的な通常型骨肉腫の画像所見であることは明らかでした.

さらに, 2週間前の初診時に撮像されたX線写真も併せて確認しましたが, こちらには明らかな異常所見はなく,
「この段階でMRIを撮って病変を拾い上げた判断力は見事だ」
と, 率直に感心して, その旨を伝えました.

彼にとっては, 肉腫を実際に診断したのは今回が初めてだったようで,
「MRIを撮るタイミングが遅かったかな」
「この後, どう動けばいいだろうか」
と少し緊張した声.

私からは, 明日朝すぐに大学病院整形外科の腫瘍グループの専門医へ連絡し, 大至急, 生検と治療を開始してもらうようにと伝えました.

最後に, 今シーズンどこかで一緒に滑ろうとスキー場での再会を約束しました.

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