中心性頚髄損傷の急患
昨晩はいつもより早く, 12時過ぎに寝ました.
おかげで, 6時過ぎにスッキリ目覚めました.
外に出ると, 雨が上がった後で, 地面は濡れていました. おかげで, 涼しかったのですが, 最高気温は31 ℃の予報でした.
8時前に病棟に上がりました. 土曜日は当院が整形外科の救急輪番担当でした. 壮年の患者さんが一人新規に入院されていました. 土曜日の夜に飲酒後, 転倒してから手足がしびれて動けなくなったため, 救急車で搬送されてこられました.

頚椎の椎体後縁と椎弓の前縁の間の距離(A)が脊柱管前後径です.
脊柱管前後径が13 mm未満だと, 発育性脊柱管狭窄が強く疑われます.
X線写真, CTの結果, 首の骨(頚椎けいつい)の骨折はありませんでしたが, 頚椎の中の首の脊髄(頚髄けいずい)が通る脊柱管の前後径が10 mm未満であり, 生まれつき脊柱管が狭い状態(発育性脊柱管狭窄)でした.


早期には, 頚髄が傷ついた部分(第3/4頚椎椎間板高位から第6頚椎椎体高位の間)の出血や浮腫を反映して, 頚髄の中が白く写っています(A).
時間が経つと, 出血や浮腫は解消して, 白く写っている範囲は縮小しています(B, C)
頚髄の中で脱髄と呼ばれる神経が変化した部分(第5頚椎椎体高位)が白く残ります.
MRIの結果, 第4/5, 第5/6, 第6/7頚椎の椎間板の高さで頚髄が圧迫を受けていて, 第4/5頚椎から第5頚椎の高さで脊髄の中がT2強調画像という撮像方法で, 白く変色している異常がありました. 元々狭い脊柱管の中を通っていた頚髄が, 転倒して首を急激に伸ばした際に, 骨や椎間板に圧されて傷ついてしまった頚髄損傷と診断されていました. 手足のしびれや脱力は, 頚髄が傷ついたせいで, 脳からの運動命令が手足の筋肉に伝わらなくなったためです.
頚髄損傷のうち, 特に上半身の感覚障害や, 肩や腕や手の運動麻痺が強く出現している場合は, 頚髄の中央付近にダメージが加わった状態であり, 中心性頚髄損傷と呼ばれます. この患者さんは, 手指をゆっくりとしか曲げ伸ばしできない状態でした.
午前の病院での仕事
8時から後輩医師と一緒に朝の病棟回診を行いました. ある病棟を回ると, 新型コロナ感染症の患者さんが新たに3人発生しており, 隔離措置が取られていました.
8時半に講堂に集まって, カンファランスを行いました. 今日は, 臨床検査技師による心臓の超音波検査(心エコー)についてでした. 左心室の駆出率Ejection function(EF)が正常な心不全heart failure with preserved ejection function(HFpEF)の診断についてでした. これまでは, 心臓の中の4つの部屋のうち, 全身に血液を送り出す左心室という部屋で収縮する力が低下して, EFが50%未満になると, 心不全と診断されていました. しかし, 最近では高齢者の心不全の半数は, 心臓の収縮する力が保たれているにもかかわらず, 心臓の筋肉が硬くなってしったために心不全となることが分かってきました. 当科では, 高齢の患者さんに対する手術前の検査として, 全例に心エコーを実施してきましたが, 高齢の患者さんではHFpEFが多いので, EFだけではなく, 心室拡張機能の評価も必要とのことで, 勉強になりました.
9時から大学医学部の学生さんに実習前のミニ講義を行いました.
9時半に外来に行き, 午前中は44人の患者さんの診療を行いました. 13時前に外来診療を終えて, 自分の部屋に戻ってランチを摂りました.
午後の病院での仕事
14時に外来に戻って, 5人の患者さんの診療を行いました.
15時半から転院されてこられた患者さんの診察を行ったり, 指示を電子カルテに入力したりの仕事をしました.
16時半から薬事委員会という会議を行いました. 病院に採用している医薬品についての会議でした. 今回は, 自分が新規採用薬の申請を2つ出していたので, 採用申請理由を説明しました. 競技の結果, 採用を昇任していただきました.
17時前から後輩医師と一緒に夕方の病棟回診を行いました. 入院患者さんは79人, 自分が主治医となっているのは39人でした.
17時半前に病院を出ました. 外に出ると雨が降っていて, 空気はヒンヤリとしていました.
疲 労
帰宅後, 久々にエアロバイクを漕ぎました. 少しなまっていたのか, 疲れました.
夕食時にテレビ番組『今夜はナゾトレ』を見ていると, 昨日行ったばかりの伊勢神宮が取り上げられていました.
夕食後, ブログ記事を書いている最中に眠気に襲われて, リビングで眠ってしまいました.
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