午前の病院での仕事と腰椎椎体骨折後再骨折の急患
今朝は晴れていました. 湿度は低くて, 爽やかな朝でした. しかし, 今日も最高気温は35 ℃超の木書美となる予報でした.
8時前に病棟に上がりました. 早速, 夜勤の看護師さんから, 昨日亡くなられた患者さんの見送り時間を連絡しなかったことを謝られました. 日勤と夜勤の交代時間に重なったため, 連絡が漏れてしまったようでした. また, 同様の事態が起こらないようにとお願いしました.
8時から後輩医師と一緒に朝の病棟回診を行いました. 新型コロナ感染症にかかった患者さんは, 発熱なく経過されていました. また, 新たな感染患者さんも発生しておらず, 現時点では1人で留まっています.
8時半から講堂に集まって, カンファランスを行いました. 今日は, 手術部の看護師による抗菌縫合糸についての講義でした.
9時前に外来に降りて, 午前中は48人の患者さんの診療を行いました.
外来診療中に救急隊から, 自宅で腰を屈めた後から腰痛が出現して, 動けなくなった後期高齢患者の収容依頼がきました. 2年前に腰椎圧迫骨折で 当科に入院したことがあり, 退院後外来で骨粗鬆症を治療している患者さんだったので, 引き受けることにしました. 外来の予約が目一杯入っており, 外来の診療を終えてからの診察になるので, 3-4時間待ってもらうことを了承していただき, 来てもらうことにしました.
また, 10時頃, 先輩医師の整形外科クリニックから, 施設に入所中の超高齢の患者さんが転倒して, 大腿骨転子部骨折を受傷されたので, 診てもらいたいという電話が来ました. 元々, 房室ブロックという心臓の病気があって, 当院の心臓血管外科でペースメーカーを管理中でした. 午前中に診るのは物理的に不可能だったので, 15時過ぎに来院するように伝えました.
12時過ぎに予定の外来診療を終えました. 腰痛のため救急搬送された後期高齢患者さんを診察したところ, 腰の骨を圧しても痛みの訴えはありませんでした. 腰椎のX線写真とMRIを撮像するようにオーダーを入れました.

T1強調画像(a)では, 椎体が全体に灰色に変色しています.
一方, STIR像(b)では, 椎体の中に真っ白く写る部分があります.
これは椎体骨折後に骨が血液循環不良に陥って死んでしまう壊死(えし)を生じた所が空洞となり, そこに体液が貯まった所見です.
この所見を, fluid signといいます.
撮像されたMRIでは, 以前骨折した第2腰椎の一部が血液循環不良によって死んでしまう壊死(えし)を生じた後, 空洞を形成して, そこに体液が貯まったfluid signを認めました. さらに同じ椎体に再骨折を生じた所見も認めました. 第2腰椎椎体骨折後の再骨折と診断しました.
痛みのために起き上がれないので, 入院していただくことにしました. 入院前の検査のオーダーを電子カルテに入力しました.
13時過ぎに外来診療を終えて, 自分の部屋に戻りました.
午後の病院での仕事と大腿骨転子部骨折の患者
14時前に外来に戻って, 午後は10人の患者さんの診療を行いました.
15時になって, 午前中に連絡があった大腿骨転子部骨折の超高齢患者さんが施設の車で運ばれて来られました. 早速, 手術前の検査のオーダーを電子カルテに入力しました.
検査の結果, 貧血があったので, 家人に輸血の説明を行って, 同意書にサインをいただきました. 尿に膿が出ており, 尿路感染症と診断しました. 炎症反応が高値だったので, 抗菌薬による治療を行って, 尿路感染症が改善してから手術を行うことを説明しました.
16時半過ぎまでかかりました.
病棟に上がって, 後輩医師と一緒に夕方の病棟回診を行いました. 入院患者さんは76人, 自分が主治医となっているのは38人でした.

18時前に病院を出ました. 昼間の暑さがまだ残っていて, クルマの外気温モニターでは36 ℃でした.
骨粗鬆症の講演会
19時から製薬会社さんが企画した講演会があったので, 会場に向かいました. 特別講演の座長(司会)を頼まれていました.
今日の講演会は, web配信だったので, 会場には配信設備が置かれているだけでした.
19時から講演会が始まりました. 最初は, 基調講演として, 同期の整形外科医師による骨粗鬆症検診に関する講演がありました.
19時半から特別講演を開始しました. 演者の先生は, 骨粗鬆症診療をしている医師であればどなたでもご存知のご高名な先生でした. 大学病院に勤務していた頃, 当地に講演に来ていただいたことがあり, その後の懇親会で会食したことがありました. 講演会に先立って, ご略歴を紹介させていただきました.
ご講演は, 10年ぶりに改訂されて, つい1カ月前に発売されたばかりの『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版』の内容を元に, 最新のエビデンスに基づく骨粗鬆症の薬物療法の選択について豊富なデータを駆使されて説明されました. 非常に勉強になりました.
20時半に講演会を終えて, 帰宅しました. 会場を出ると, 雷が鳴って, 雨が降り始めました.
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