午前の病院での仕事と注射後疼痛の患者
今朝は, 雲が多い空でしたが, 青空も見えて, 爽やかな天気でした.
昨日の昼間は, 当院が整形外科の救急当番だったので, 入院患者が増えているかもと考えて, 早めに出勤しました.
8時前に病棟に上がると, 昨日日勤だった後輩医師から, 大腿骨転子部骨折の超高齢者と両方の手首の骨(橈骨遠位端とうこつえんいたん)を骨折した後期高齢者の患者さんが2人入院したとの報告がありました. 大腿骨転子部骨折の高齢者の方は, 特に問題がなさそうだったので, できれば今日の午後手術を行うつもりとの予定を聞きました.
8時過ぎから後輩医師と一緒に朝の病棟回診を行いました. 昨日入院された大腿骨転子部骨折の患者さんの病室を訪れたところ, お年の割には若々しい感じでした. 認知症はありましたが, 応答はまあまあでした. 両橈骨遠位端骨折を受傷された患者さんの方は, 両腕をギプス副子で固定されていましたが, 指は動かせるので, 朝食を召し上がっていらっしゃいました. 今日, 手術部と交渉して, できれば来週の木曜日に手術を行う予定であることが伝えられました.
8時半過ぎに外来に降りて, 18人の患者さんの診療を行いました. 一昨日, 当院の健診センターで血液検査のために肘の血管から注射器で血液を採取された20歳代の方が, 検査後から手が痛くなったという訴えで, 当科を受診されました. 元々うつ病で精神科から治療薬が処方されていました.

肘正中皮静脈(上図MCV1)の深部には正中神経(上図MN)が通っています.
このため, 注射針を深く刺してしまうと正中神経を針先で傷つけるおそれがあります.
診察前に担当した看護師に血液を採取したときの状態を確認しましたが, 通常通りの手技で肘の中央にある血管(肘正中皮静脈ちゅうせいちゅうひじょうみゃく)に針を刺して血液を採取し, 異常はなかったとのことでした.
診察したところ, 肘正中皮静脈を覆った皮膚に針が刺された跡がありました. その周りには, 内出血や腫れや圧したときの痛みはありませんでした. 手の筋力低下や触ったときの感覚の鈍さなども認められませんでしたので, 注射の針や血管からの出血で神経を損傷したのではないと判断しました. しかし, 客観的な証拠を残すために, 肘のMRIを撮像することにしました.
昨日入院された大腿骨転子部骨折の超高齢の患者さんは, 検査の結果, 特に問題がなかったことから, 午後に臨時で手術を行うことが決まりました.
お昼過ぎに採決後の手の痛みがある患者さんの肘のMRIが撮像されました. その結果, 針が刺された血管の周囲には, 血管の深部に針が刺さって生じた出血の跡や炎症の所見は認められませんでした. 患者さんと付き添いで来られた親にMRIの結果を説明して, 手の痛みは針を刺されるときに腕や手に力を入れていたことによる近位苦痛であり, 数日で消失することを説明しました.
13時過ぎに自分の部屋に戻ってランチを摂りました.
午後の病院での仕事と大腿骨転子部骨折の臨時手術
13時半過ぎに患者さんがこれから手術室に移動しますという連絡が入ったので, 手術部に移動しました.
14時過ぎから後輩医師の執刀で手術が開始されました. 骨折部のズレが大きく, 元の形に戻すのにかなり難渋しました. 16時半過ぎに手術が終わりました.
今日は遅くなったので, 夕方の病棟回診は行いませんでした. 入院患者さんは75人, 自分が主治医となっているのは37人に減りました.
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