手術日+442日目 2025/4/25(金)

午前の病院での仕事とお看取り

今日は空が厚い雲で覆われていました. 気温は高めで, 16 ℃でした.

8時前に出勤して, 病棟に上がりました. 8時から1人で朝の病棟回診を行いました. 昨日, 血圧が低下して, 低ナトリウム血症があり, 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群を疑った腰椎圧迫骨折の後期高齢の患者さんは, その後の検査で, 尿から膿が出ていて, C反応性タンパク(CRP)が16 mg/dLと炎症反応が高値であり, 尿路感染後の敗血症による血圧低下と診断しました. 血圧を上げるための薬ノルアドレナリンと抗菌薬での治療を追加しました. しかし, 夜から朝にかけてノルアドレナリンの投与量を増やしても血圧が上がらず, 呼吸数も減少してきたため, 今日中に亡くなる危険性が高いと判断して, ご家族に病院に来ていただくように連絡しました. もともと糖尿病があって, 細菌感染し易い状態であったのと, 腎臓の機能低下があったことが病状の悪化を招いたと考えました.

8時半から抄読会があったので, 講堂に集まりました. 今回の担当は私だったので, 『大腿骨頚部骨折に合併する肺塞栓症』のテーマで英語論文を紹介しました. その後, 来週予定の手術についてカンファランスを行いました. ゴールデンウィークの最中なので, 予定手術は1件だけでした.

9時前に外来に降りて, 31人の患者さんの診療を行いました. 10時前に病棟から電話が来て, 血圧が低下している患者さんのご家族が到着したのと, 心停止したことを告げられました. すぐに病棟に上がって, 病室に行くと, すでに心静止(心拍がない状態)でした. ご家族には, 昨日, 治療に反応しない場合は, 1両日中に亡くなる危険性が高い重篤な状態であることは説明済みでした. 死亡確認をして, お悔やみの言葉を述べました.

外来に戻って, 引き続き外来診療を行いました.

11時半過ぎに先ほど亡くなられた患者さんのお迎えに葬儀社の車が到着したと連絡が来たので, 霊安室に向かいました. 死亡診断書を見せて, 記述内容について説明した後, ご家族に渡しました. ご遺体を病院のストレッチャーから葬儀社のストレッチャーに載せ替えて, お見送りしました.

また外来に戻ったところで, 救急隊から店舗先で転倒して, 頭部と腰部を打撲してから動けなくなったという超高齢の患者さんの受け入れ要請がありました. 脳外科の医師は受け入れ可能と返事していたので, これから午後の手術の説明と手術がありましたが, 整形外科でも受け入れますとお返事せざるを得ませんでした.

12時過ぎに外来診療を終えて, 病棟に上がって, 午後に手術を行う大腿骨頚部骨折の100歳前の超高齢患者さんのご家族に手術と輸血の説明を30分かけて行いました.

説明後, 救急外来に降りました. 脳外科の診察はすでに終了していて, 頭部打撲傷でした. 腰を痛がっているので, 診察したところ, 背骨(胸椎)と腰の骨(腰椎)と骨盤の骨(仙骨)を圧すと痛がるので, 骨折を疑って, X線写真とMRIを撮像するようにオーダを入れました.

13時に自分の部屋に戻ってランチを摂りました.

午後の病院での仕事

13時過ぎから, 病棟で患者さんの家族と面談の約束があったので, 10分で食事を済ませて, 病棟に向かいました. 病状説明を15分かけて行った後, 救急外来に戻りました.

腰椎椎体骨折の事例のCT矢状断像とMRI 脂肪抑制T2強調像 矢状断.
新鮮な骨折(骨折してから概ね2-3カ月以内)では, MRIで椎体が白く写りますが(上図B), 旧い骨折(骨折してから概ね4カ月以上経過)では, 椎体が潰れていても(上図C), MRIでは椎体が白く写らずに, 骨折のない椎体と同じような色合いに写るようになります(上図D).

引用元:Zhang J. Differentiation of acute and chronic vertebral compression fractures using conventional CT based on deep transfer learning features and hand‑crafted radiomics features. BMC Musculoskelet Disord. 2023. 24.

撮像されたX線写真を見たところ, 胸椎と腰椎が3箇所で潰れて骨折していましたが, MRIでは骨折の所見がなく, 数ヶ月以上前の旧い骨折であると診断しました. 骨盤の骨にも異常はなかったので, 打撲傷と診断して, 鎮痛薬を処方して, 帰宅していただきました.

13時半過ぎに手術部に移動しました.

今日の午後は, 他の病院に勤務している後輩医師が来られて, 肩関節の腱板断裂に対する関節鏡下手術が予定されていました. 手術室に入ると, 既に手術が始まっていました. 手伝いはなくても大丈夫ですと言われたので, 電子カルテ端末で他の仕事をしました.

14時半からは, 自分の執刀で大腿骨頚部骨折に対する人工骨頭挿入術を行いました. 肺の機能低下があるため, 脊髄くも膜下麻酔(腰椎麻酔)という下半身の麻酔と静脈麻酔の組合せで麻酔が行われました. 予定通り1時間で終了しました.

16時過ぎに病棟に上がって, 患者さんのご家族にX線写真の紙コピーを渡して, 予定通り手術を終えたことと, 手術中の出血は30 mLだけだったので, 輸血は行わないで済むことを説明しました.

毎週金曜日は, 看護師, リハビリスタッフ, 社会福祉士と一緒に病棟回診を行っていますが, 今日は時間がないのでキャンセルしました. 1人で各病棟を回って, 指示出しを行いました.

17時半に病院を出ました. 雲は切れて, 青空が少し見えました.

スキーの準備

明日からのゴールデンウィーク中にスキーに行く準備をしました. 板には, プラス雪温用ワックスを塗って, さらに雪虎を塗りました.

明日は, 気温が低めなので, 滑ってくれるとありがたいです.

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