手術日+419日目 2025/4/22(火)

午前の病院での仕事と大腿骨頚部骨折の急患

今朝も素晴らしい快晴でした. 気温は, 昨日を同じく13 ℃で少し寒く感じましたが, ジャケットは着ないで, ワイシャツで出勤しました.

8時前に病棟に上がって, 8時から後輩医師と一緒に朝の病棟回診を行いました. 昨日入院された超高齢の第3腰椎の圧迫骨折の患者さんは, 夕方から不穏状態となって, 大声を出して騒いだり, 廊下を歩き回ったようで, ナースステーションの隣の観察室という病室に移されていました. 見に行くと, ベッドに腰掛けていて, どこも痛くないと言っていました. 不慣れな病院でまた転ぶと骨折するかもしれないので, 慣れた環境の自宅で安静をとっていただくために, 今日退院してもらうことにして, 家族に連絡することにしました.

8時半から病院内カンファランスがあったので, 講堂に集まりました. 今日は, 病棟の看護師さんからの病棟で行っている勉強会についての発表でした.

9時前に外来に降りて, 急いで患者さんを5人ほど診察したところで, 大学医学部の学生さん達が実習に来られましたという連絡がきたので, 会議室に移動しました. 実習に来られた学生さんに, 当院での実習について, ガイダンスとミニ講義を20分ほど行いました.

急いで外来に戻り, 午前中は30人の患者さんの診療を行いました. 途中で, 他の病院から100歳近い超高齢の患者さんが, 今朝自宅で転倒してから股関節の痛みを訴えて, その病院を受診したので, X線写真を撮像したところ, 大腿骨頚部骨折と診断されて, 当科に紹介したいという連絡が入りました.

自分が主治医となっている患者さんは, 相変わらず40人を超えていましたが, 受け入れることにしました. 事前の情報で, 体温が38.8 ℃と発熱しているが, 新型コロナとインフルエンザの検査は陰性とのことでした.

11時半過ぎに患者さんが到着しました. 持参されたX線写真を見たところ, 大腿骨頚部骨折の転位型でした. 自宅で歩行もしていて, 自立した生活を送っていたとのことでしたので, 手術を前提に麻酔前の検査のオーダーを電子カルテに入力しました.

呼吸機能検査(肺活量など)の代わりに, 動脈血液ガス検査という検査を実施しました. 脚の付け根の動脈(大腿動脈)に注射器で針を刺して, 動脈を流れている血液(動脈血)を採取します. 動脈血液ガス検査では, 血液の中に溶けている気体(酸素や二酸化炭素など)の量を調べることで, 空気中の酸素を血液の中に取り入れて, 血液の中の二酸化炭素を外に出す肺の働きが正常かどうかを調べるを検査です. 主に, 酸素分圧(PaO2), 酸素飽和度(SaO2), 二酸化炭素分圧(PaCO2), 重炭酸イオン’(HCO3), 酸性度(pH), 塩基過剰ベースエクセス(BE)が主な調査項目になります.

動脈血液ガス検査の結果, PaO2が43 mmHg, 酸素飽和度が85 %しかありませんでした. 通常は, PaO2は85〜100 mmHg, 酸素飽和度は95 %以上ですので, 血液に酸素を取り入れる能力(酸素化)が低下した状態と判断しました. 熱も出ているので, まずは肺炎を疑って, 胸部CTを撮像しました.

肺のブラのCT事例.
Aの画像で認められる肺の中にある黒い丸い空洞がブラです.

引用元:Kishimoto T. Respiratory disease in workers handling cross-linked water-soluble acrylic acid polymer. PLoS One. 2023. 18.

その結果, 肺炎はなく, 肺の中にはブラと呼ばれる空洞が多数できていました. 昔, タバコを吸っていたとのことでしたので, それによる肺組織の破壊の結果生じたのだと判断しました.

入院後, 酸素を吸っていただいて, 手術まで待機していただくことにしました.

12時半に自分の部屋に戻ってランチを摂りました.

午後の病院での仕事

14時に外来に戻って, 8人の患者さんの診療を行いました. 新規の患者さんが多くて, 時間がかかり, 17時までかかりました.

夕方の病棟回診は, 後輩の医師にお任せしました. 今日の時点で入院患者さんは84人, 自分が主治医となっているのは43人でした.

医師会理事会

19時から医師会の定例理事会があるので, 医師会のあるビルに出かけました.

20時過ぎまでかかりました.

6月に定例総会が開催されるので, その準備がこれから行われます. また, 県の医師会にも代議員として出席を要請されたので, 参会することにしました.

医師会の仕事は, 報酬もなく, 時間が拘束されるので, 早く辞めたいのですが, 任期があと2年もあります.

最後に, 夏の参議院選挙に立候補する予定である日本医師会副会長の候補者を応援することが話し合われました.

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