午前の病院での仕事
今朝は青空が広がっていて, クルマの外気温モニターは7 ℃でしたが, 北風が強くて, 寒く感じました..
通常通りに出勤しました.
8時前に病棟に上がりました. 昨日手術が行われた患者さん2人は, 問題なく経過されていました.
8時から後輩医師と一緒に朝の病棟回診を行いました. 胸椎の圧迫骨折で入院している90歳代の超高齢の患者さんが, 朝方嘔吐して, 38 ℃台の熱があると病棟看護師から報告されました. この患者さんは, 8日ほど前に尿路感染症から敗血症性ショックになって, 昇圧薬, 抗菌薬の投与を行って, よくなったばかりでした. 3日前に血液検査をした際には, 異常ありませんでしたが, 念のため血液検査のオーダーを入れました.
8時半から外来に降りて, 午前中は32人の患者さんの診療を行いました. 今日は, 飛び込みや救急車はなく, 落ち着いていました.
朝の回診時に検査のオーダーを入れた超高齢の患者さんの血液検査の結果, ビリルビンや肝臓・胆嚢の酵素が異常な高値となっていたので, 胆石による胆嚢炎や胆石が胆管に詰まった(嵌頓かんとんした)ことによる胆管炎などの急性胆道系炎症疾患による発熱と嘔吐を疑いました. 腹部のCTを撮像するように追加でオーダーを入れて, 食事は摂らないようにと病棟看護師に連絡しました.
12時半過ぎに外来診療を終えて, 自分の部屋に戻ってランチを摂りました.
午後の病院での仕事
13時半前に, 午前中にオーダーした超高齢患者さんの腹部CTが撮像されたので, 確認したところ, 胆管が拡張しており, 胆石が胆管に嵌頓したことによる急性胆管炎を疑いました. 外科の医師に連絡して, 診察を依頼しました.
14時に外来に戻って, 午後は9人の患者さんの診療を行いました.
接骨院から槌指(つちゆび)が疑われる患者さんが紹介されて受診されました. 2日前にソフトボールプレー中に突き指をして受傷されたとのことでした.
槌指は, 指の第1関節(末節・中節間 distal interphalangeal : DIP 関節)を伸ばす働きがある腱(伸筋腱)が切れたか, あるいは伸筋腱が付着している末節骨の一部が骨折したために, DIP関節伸ばせなくなる状態です. 伸びなくなった指の形が槌(ハンマー)のように見えるので, 槌指(マレットフィンガー mallet finger)と呼ばれます. マレット malletとは, 英語でハンマーのことです.
槌指には, 腱が骨から切れてしまった状態(腱性マレット)と腱が付く部分の骨が骨折してしまった状態(骨性マレット)の2種類があります。

Type I 非開放創±剥離骨折, Type II 開放創(DIP関節部または周囲の裂創), Type III 開放創+皮膚または腱組織の欠損, Type IV A 成長軟骨損傷(小児), IV B 骨片が関節面の20〜50 %を占める(成人), IV C 骨片が関節面の50 %以上を占める(成人)
一般に, 腱性マレットと骨折した骨のかけらが小さな骨性マレット(上図I)では, DIP関節を伸ばした状態で固定するようにテーピングや装具を使って治療します. 一方, 骨折部にキズがある場合(上図II, III)や骨片が大きな槌指(骨片の大きさが関節面の概ね1/3を超える場合)や骨折に伴ってDIP関節が脱臼している場合(上図IVA, IVC)は, 手術治療が選択されます.
患者さんのX線写真を撮像したところ, ごく小さな骨折を伴う骨性マレットでした. 装具での治療を勧めて, 通院しやすい患者さんの地元の整形外科クリニックに紹介しました.
15時30分過ぎに外来診療を終えて, 引き続き病棟の仕事を行いました. 急性胆管炎を発症した超高齢の患者さんの状態を見に行きましたが, 血圧は低下しておらず, 安定していました. しかし, いつ, また敗血症性ショックを起こすかもしれないので, 注意して経過を見ていくことにしました.
整形外科には, 90歳以上の超高齢の患者さんがたくさん入院していますが, 新型コロナやインフルエンザなどのウイルス感染, 肺炎や胆嚢炎や尿路感染などの細菌感染を合併した場合には, 他の診療科の医師に診断と治療のアドバイスを受けますが, 基本的には自分で治療しなければなりません. 高齢者は, 小児と一緒で, 昨日までは何でもなかったのに急に熱を出して, 食事や水を摂らなくなって, あっという間に具合が悪くなるので, 整形外科の仕事よりも, 具合が悪くなった高齢者の検査と治療に忙殺されています. 2040年までにさらに高齢者が増える見込みですが, このペースで高齢の入院患者が増え続けると, おそらく病院では収容しきれなくなると想像します. そのころは自分も後期高齢者ですが・・・. 日本の医療が本当に持続可能なのかどうか, 考えると暗澹たる気持ちになります. ただ, 今は目の前の患者さんを生きたまま退院させることに全力を注ぐしかないと考えて, 毎日過ごしています.
16時半から後輩医師と一緒に夕方の病棟回診を行いました. 入院患者さんは84人, 自分が主治医となっているのは49人でした.
17時過ぎに病院を出ました.
講演会
19時から講演会があったので, 会場に向かいました.
医師会主催の講演会で, 自分が担当理事だったので, 座長を務めました. 今回は, 大学の後輩医師に講演を頼んでおり, スポーツ外傷についての講演をしていただきました.
20時半前に帰宅しました.
東北新幹線の事故
今日, 東北新幹線のこまちとはやぶさの連結が外れる事故がまた発生したとのニュースを見ました. 当面, 秋田, 山形新幹線の東北新幹線との連結運転を見合わせるという対応を見て, 列車の本数が減らされるようなので, 不便になるのが心配です. 当面, 新幹線を利用して出張や旅行する予定はありませんが, 春の行楽シーズンまでには解決してもらいたいです.
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