夜勤のその後
2時に就寝して, 6時半に起きました. 幸い, 昨晩の4台の救急車の後は, 救急車が来なかったので, 連続で睡眠が取れました. アラームは7時半にセットしていましたが, やはり眠り慣れていない場所なので, 早く目が覚めてしまいました.
洗顔後, 医局に移動して, 朝食をいただきました. 今朝のメニューは, 赤魚の煮付け, ジャガイモ・人参など具沢山の味噌汁, 海苔の佃煮と白飯でした.
10分で朝食をいただいて, 8時前に病棟に上がりました, 昨日入院した大腿骨頚部骨折と骨盤骨折の患者さんの病室を訪問して, 昨晩の経過を聞きました. お二方とも, 痛みが強いとのことでしたので, 鎮痛薬を追加処方しました.
午前の病院での仕事と胸椎圧迫骨折の患者
8時から後輩医師と一緒に朝の病棟回診を行いました. 入院患者さんは74人, 自分が主治医となっているのは36人でした.
8時半から, 手術前カンファランスを行いました. 来週は8件の手術を予定していますが, 大腿骨頚部骨折の患者さんの手術も実施したいと考えています. 今週は, 麻酔科医師が不在のため, 来週月曜日に決めることになります.
9時前に外来に降りて, 30人の患者さんの診療を行いました. 夜勤明けの外来は久々でしたが, やはり集中力が低下していて, 電子カルテのキーボードでの打ち込みでミスタイプをしたり, 打ち込みに時間がかかったり, オーダーの入力を間違えたりで, いつものようにははかどりませんでした.
12時に外来診療を終えたところで, 大学病院から診療の手伝いに来られた医師から, 「新患で胸椎圧迫骨折の患者さんが来られているのですが, 入院治療を希望されていて・・・」と相談を受けました. 私が引き継いで, 主治医となりました.
入院前の検査や, 入院時のオーダーを電子カルテに入力して, 入院していただきました.
13時過ぎに, 長かった29時間勤務をようやく終えて, 病院を出ました. これが, 50代最後の夜勤でした.
外に出ると, 冷たい雨が降っていました. 車の外気温モニターは, 6 ℃しかありませんでした. 遠くの山の方を見ると, 雪雲がかかっていました.
長時間勤務の思い出
昔は, 大学病院に倣って, 朝の回診を7時から行っていました.
自分の最初のボスであった教授から 「患者さんが最も長く医師とコンタクトが取れなくなる時間を少しでも減らすこと. 患者さんの訴えは朝に多いので, 朝回診した結果, 必要が生じたオーダーや記録は, 朝のうちにカルテに記載すること」という考えでした. ボスが勤務していた北米の病院では, 朝7時から始まるのが一般的であることに倣ったものでした. また, 「朝, 日中, 夜消灯(21時)前の1日3回は回診すること」という決まりがありました. このため, 夜20時過ぎから病棟の回診をしていました.
カルテの整理や手術の準備や勉強, カンファランスの準備, 研究などは夜の回診後に行っていたので, 帰宅するのは, 毎日23時前後でした. まさに『セブン−イレブン』でした. 普通の人の2倍, 1日16時間は働いていました.
また, 毎週火曜日の午前中に教授総回診があって, 教授の前で各患者さんのプレゼンテーションをする必要がありました. その準備のために, 毎週月曜日の夜は, 1時, 2時まで研修医と一緒に患者さんの経過をまとめて, プレゼンテーションの原稿を準備して, それを研修医に暗記してもらって, プレゼンテーションの練習をしていました.
月に3-4回, 病院に泊まる『当直』業務もありました. 本来『当直』とは, 電話番や簡単な指示を出したりする, 十分に休養・睡眠時間が取れる業務を指しますが, 医師の『当直』は, 救急センターの外来に来られた患者さんの診療も担っており, 多い日は20人近くを診療して, 必要時には緊急手術を行うこともありました. 夜通し働くことも珍しくありませんでした.
『当直』の翌日も, 回診, 外来, 手術, 夜の病棟回診をしてから帰宅していたので, 朝7時から翌日夜21時過ぎまでの連続38時間勤務でした. 1カ月あたりの時間外勤務は100時間以上, 多い月は200時間近く働いていました. 過労死したりうつ病を発症したりしなかったのは, 学生時代にテニスとスキーで心身を鍛えていたのと, 素晴らしい先輩や同期, あるいは後輩達のおかげだったと思います.
今年から始まった『医師の働き方改革』によって, 以前のような長時間勤務はできなくなりました. 当院では, 昨年の8月から朝の回診を8時からに変更して, 夜勤明けの午後は休みにしました.
ということで, 今日の午後は休みになりました.
誕生日プレゼント
明日は, 60回目の誕生日です. ついに還暦です. このブログのタイトル『大腿骨頚部骨折からスキー復帰まで-還暦整形外科医の挑戦』は, 還暦を迎える12月7日までにスキーに復帰したいという願いをかけて付けました. おかげさまで, 先週この願いを叶えることができました.
3歳下の弟から宅配便が届いたので, 開けたところ, 今では貴重なサントリージャパニーズウイスキーの3本セットでした.
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