午前の病院での仕事
今日も気温は高めでしたが, 小雨で濡れていました. 午後からは雨の予報でした.
8時前に病棟に上がって, 昨日入院した骨盤骨折の超高齢者の患者さんの部屋を訪れました. 痛みはあるとのことでしたが, 朝食を摂っていました. 血液検査の結果, 心配された貧血もありませんでした.
8時から後輩医師と一緒に朝の病棟回診を行いました.
8時半から来週の手術のカンファランスを行いました. 来週は, 4件の手術を予定しています.
カンファランス後に外来に降りて, 午前中は35人の患者さんの診療を行いました.
12時に外来診療を終えて, 病棟に上がって, 午後に手術を行う患者さんに, 手術の説明を行いました.
午後の病院での仕事と流注膿瘍の新患
12時半から他病院に勤務中の後輩医師が手術に来られたので, その助手を務めるため, 手術部に移動しました.
12時半から始まった後輩医師の手術は, 独りで大丈夫とのことだったので, 外で手術を見守りました. 予定通りに1時間ほどで終了しました.
手術室にいたところ, 大学病院から外来の診療応援に来ていただいてる後輩医師から画像を見てもらいたいと頼まれました. 今日, 午前中に予約なしで受診された新規の患者さんでした. 腰とふとももが腫れているという訴えでした. 発熱はないものの, 血液検査をしたところ, C反応性タンパク(CRP)が9 mg/dL台と増えていました. CTを撮像したところ, 腰の後方の皮膚の下から腰の骨(腰椎)の脇にある筋肉(大腰筋だいようきん)さらに骨盤の内側の筋肉(腸骨筋ちょうこつきん)とさらにこれらの筋肉(腸腰筋ちょうようきん)に沿って, ふとももの前に達する病変が認められたが, これは腫瘍なのか, 他の病気なのかを診てくださいという依頼でした.
CTの所見は, 先日診察した大腰筋膿瘍の患者さんと同様でした.
しかし, 病変は筋肉の内部に留まらずに, 腰の皮下脂肪とふとももの前方の筋肉まで達していました. 腫瘍ではこのような広範囲に筋肉の外側にまで病変が拡がることは通常ないため, 脊椎カリエス(脊椎の結核菌感染症)に合併した流注膿瘍(るちゅうのうよう)と診断しました.
細菌感染によって膿が貯まった状態を膿瘍と言います. 一般的に膿瘍は触ると熱くなっている(熱感がある)のに対して, 結核菌やその類似細菌(非結核性抗酸菌ひけっかくせいこうさんきん)の膿瘍は, 熱くないので, 冷膿瘍(れいのうよう)とも呼ばれます. 一般細菌の膿瘍があると, 通常38-40 ℃台の高い熱が出ますが, 結核菌や非結核性抗酸菌では, 膿瘍があっても平熱や微熱に留まります.
若い医師は, 脊椎カリエスや流注膿瘍を診療した経験はほとんどないかと思います. 私が医師になった35年くらい前は, まだ, 脊椎カリエスやPott麻痺(脊椎カリエスによって, 脊椎が高度に後方凸に変形(亀背変形きはいへんけい)した結果生じる脊髄麻痺)の患者さんや流注膿瘍の患者さんを大学病院で診療したり, 手術したりした経験がありました.
後輩医師には, 結核感染が疑われるので, 針を刺して膿を採取して, 細菌検査を行うことを勧めました.
14時過ぎから, 自分の執刀で手術を行いました. 問題なく, 1時間弱で終了しました.
病棟に上がって, 患者さんのご家族に手術の経過について説明しました.
その後, 外来に降りて, 件の流注膿瘍の患者さんがどうなったのか, 後輩医師に聞きました. 針を刺したところ膿が出てきたので, 細菌検査に提出したそうです. 患者さんには, 入院して, 抗菌薬治療を開始することを強く勧めたそうですが, どうしても仕事を休めないということで, 抗菌薬が点滴された後, 帰宅していました. 明日も受診するので, 私が引き続き説得することになりました.
15時半すぎに自分の部屋に戻って, 10分でランチを摂りました.
16時から, 看護師, リハビリスタッフ, 管理栄養士, 社会福祉士と一緒に入院患者さんの回診を行って, 情報共有を行いました. 今日も新しく患者さんが入院したため, 入院患者さんは79人, 自分が主治医となっているのは35人に増えました.
今日は, ノー残業デイだったので, 率先して, 17時に病院を出て帰宅しました. 小雨が降っていましたが, 気温は高く, 少し蒸し暑さを感じました.
夜の会議
19時半から会議の予定がありました.
まだ時間があったので, エアロバイクを30分弱漕いで, シャワーを浴びてから, 会議に向かいました.
医師会の入っているビルの会議室で, 15人ほどが集まりました. 私は, 病院の代表兼医師会の理事の両方の立場で参加しました.
二次救急医療機関と診療所との間で, 夜間・休日の診療についての連携を協議する会議でした. 特に, 医師の働き方改革によって, 夜間・休日の診療体制にほころびが出そうとなっており, それをどのようにして繕って, 体制を維持するかについて, 意見を出し合いました. しかし, なかなか妙案はなく, 継続的に話し合いを続けることになりました.
21時前に会議が終わって, 帰宅しました. 外は引き続き雨でした.
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