手術日+223日目 2024/10/8(火)

午前の病院での仕事

今朝も小雨でした. 毎日雨模様で, 梅雨のようです. 秋の長雨って毎年こんなに長く続いてたかと考えつつ, 出勤しました.

病棟に上がって, 昨日自分が執刀して手術した患者さんの病室を訪れました. キズの痛みを訴えてはいましたが, 手術後の経過に問題はありませんでした. 家人のお迎えが明日になるとのことでした. また, 大腿骨頚部骨折で人工骨頭挿入術が行われた患者さんも問題なく経過されて, 朝食を摂られていました.

8時から後輩医師と一緒に朝の病棟回診を行いました.

8時半に外来に降りて, 午前中は33人の患者さんの診療を行いました. 新規の患者さんはいらっしゃらなかったので, スムースに進んで, 12時半匂えました.

外来診療中に, 病診連携室の担当者がやってきました. 他病院の脳外科に脳梗塞で入院中の高齢の患者さんが, 肩の痛みを訴えていて, 発熱があり, 炎症反応が高値を示していて, CTを撮ったところ, 空気像が認められて, 針を刺したところ膿が出てきたので, 当科で診てもらいたいという連絡があったと告げに来ました.

いただいた情報からは, 肩関節の細菌感染(化膿性関節炎)の他に, 痛風や偽痛風などの関節炎(結晶誘発性関節炎), ガス産生菌による軟部組織感染症(ガス壊疽えそ)などが疑われました. 今日の午後か, 明日の午前中に診察に来ていただくように連絡してもらいました.

12時半から1時間かけて, 来週予定の手術について, 金曜日のカンファアンスで発表するスライドを作りました. 来週は今のところ5件の手術を予定しています.

13時半に自分の部屋に戻って, ランチを摂りました.

午後の病院での仕事とガス産生菌による軟部組織感染症

午前中に連絡があった他病院に入院中の患者さんが, 今日の午後に受診するという連絡がありました.

14時に外来に戻って, 午後は9人の患者さんの診療を行いました.

14時半過ぎに, 午前中に連絡があった肩の痛みのある高齢患者さんが来られました. 持参された資料を見ると, C反応性タンパク(CRP)が17台と高値でした. また, 4日前に撮像されたCTを見ると, 肩というよりは胸の前方奥野筋肉の間にガス像を認めました. 総合すると, ガス産生菌による軟部組織感染症が強く疑われました. 痛みの原因と部位を調べるために, MRIを撮像することにしましたが, 今日の午後は予約で一杯で, 17時前まで待っていただくことになりました.

MRIが撮られるまでの間, 入院中の患者さんのご家族との面談の約束があったので面談を行ったり, 昨日手術した患者さんのキズの状態を確認したり, 先週入院した両方の大腿骨(右顆上部, 左骨幹部)を骨折した患者さんのギプス巻きなどを行いました.

16時半から後輩医師と一緒に夕方の病棟回診を行いました. 入院患者さんは78人, 自分が主治医となっているのは34人に増えました.

先週当科に紹介されてこられた患者さんの予約していたMRIが終わったので, 外来に戻って, 画像を確認しました.

30年以上前から腕に腫瘤があったのをずっと置いていた患者さんでした. 病変は, 表皮嚢腫(俗に, アテローマと呼ばれる)という皮膚の一部が皮膚の下に潜り込んで, 垢や脂が貯まった袋でしたが, 内部に隆起性に増殖する部分があり, 皮膚癌の合併が疑われました. 皮膚科で, 皮膚癌を前庭に検査と治療を行っていただくことをお勧めして, 大学病院に紹介しました.

大学病院に勤務していた頃, 同様の患者さんを2人経験したことがあります. 10年以上前からある20 cm以上の巨大な表皮嚢腫を切り取った後に, 病理組織学的検査で皮膚癌の一種(有棘細胞癌ゆうきょくさいぼうがん)と診断されたので, がん細胞が散らばったと想定される皮膚と皮下脂肪を拡大して切り取って, 筋肉と皮膚を移動させて覆う手術(筋皮弁術)を行いました. その後, 皮膚科に紹介して, 抗がん剤治療をやっていただいたことがあります. 幸い, 再発や転移はせずに治癒しました. それ以来, 10年以上経過した, 大きな表皮嚢腫の患者さんは, 必ず造影剤を使ったMRIを撮像して, 二次癌が疑われる場合は, 皮膚科に紹介しています.

17時半前に紹介されてこられた患者さんのMRIの画像ができあがったので, 確認しました.

胸の奥の筋肉の間(筋間)に限局して, 膿が貯まっている(膿瘍のうようを形成している)状態と判断しました. 体温は, 37 ℃台で, 膿が貯まっている部分は, 赤く腫れていたりしていないこと, 皮膚や筋肉に壊疽(血行障害で死ぬこと)所見がないこと, 脳梗塞で血液が固まりにくくなる薬を使っていること, 脳梗塞後間もないので, 全身麻酔手術のリスクが高いこと, 今日当院で撮像したCTを4日前のCTと比較すると, 膿瘍は小さくなってきていて, 入院中の病院で投与されている抗菌薬が効いていること, 腎機能が低下しているため, 手術後に透析が必要となる可能性があるが, 当院には透析設備が無いため, 対応不能であることなどを総合的に判断して, すぐに切開して, 膿を出す手術は行わずに, 抗菌薬治療を継続していただき, 悪化傾向で手術が必要と判断された場合には, 透析ができる設備のある病院で手術を行っていただくことを説明して, 入院元の病院に戻っていただくことにしました.

18時過ぎに病院を出ました. 夕方も小雨でした.

夜のひととき

19時から市内で開催される講演会に参加の予定でしたが, 間に合わないため, キャンセルしました.

代わりに, エアロバイクを漕ぎながら, 他県で開催されている骨粗鬆症に関する講演会をオンラインで聞きました.

19時半から20時半まで講演を聞いた後, 入浴しました.

夕食は, アジフライ, 鶏の唐揚げ, ひじきの煮物, ナスの煮物, ブロッコリーのおひたし, コールスローサラダなどでした.

上皇后陛下の大腿骨近位部骨折は非転位型大腿骨頚部骨折?

宮内庁のホームページに記載された条項棒陛下の大腿骨骨折についての公表事項

昨日の記事にも書きましたが, 昨日上皇后陛下が大腿骨近位部骨折(おそらく大腿骨頚部骨折)を受傷されて, 本日朝5時から7時に東大病院で手術が行われ, 無事に終了されたとニュースで報道されていました.

実施された手術が骨接合術であり, 入院期間が1〜2週間と報道されていたので, 私と同じような非転移型の大腿骨頚部骨折だったのだろうと推察します.

内固定材料が何だったのかが気になります. 私と同じくFemoral Neck Systemが使われたのでしょうか, あるいは, 国産の器械が使われたのでしょうか. 公表されると, 私も同じ器械を使ってほしいという患者さんが出てくることが予想されるので, 公表はされないでしょう. 器械メーカーさんも, 皇室御用達という宣伝はしないでしょう.

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