午前の病院での仕事と新型コロナクラスター発生
今朝は, 昨日と打って変わって快晴でした.
8時前に病棟に上がって, 夜勤の看護師さんから昨日手術された2人の患者さんの経過を聞いてから, 病棟の回診を行いました. お二人とも問題なく経過されており, 朝食を摂っていました. 回診の途中で, 入院している患者さんがのどの痛みを訴えているという報告が複数あって, 中には38℃超の発熱をしている患者さんもいました.
私の勤務している病院では, 入院中の患者さんとの面会を3月31日までは事前予約制としていましたが, 4月1日からは1日1回15分以内という時間制限は続けていますが, 予約なしで好きな時間に面会できるように制限を緩和しました. 巷では, 新型コロナやインフルンザがまだ続いていますので, 面会に来られたご家族からこれらのウイルス感染症が病院に持ち込まれる危険性がなくなったわけではありませんが, 患者さんやそのご家族からのご要望に沿うことになりました.
午前中の外来では, 19人の患者さんを診療しました. その間, 朝の回診の際に報告された患者さんがコロナ陽性だったという電話が相次ぎました.その都度, 検査のオーダーを入れて, 患者さんをどう扱うか(個室に移動させて隔離したり, 大部屋ごと隔離したり)を決めてもらって, 新型コロナ治療薬を処方する対応に追われました.
結局, 自分が主治医となっている患者さん3人も含めて, 今日だけで7人の入院中の患者さんがコロナ陽性となりました. いずれの患者さんも1カ月以上前から入院されていたので, 今日発症したことから, おそらく先週末の面会の際に新型コロナが持ち込まれたのだと推理しました.
4月から新型コロナのワクチンと検査と治療に対する公費負担がなくなったので, 入院している患者さんが新型コロナかもしれないと検査を行ったり, 診断後に治療薬を出したりすると, その分の費用は病院が負担することになります. これは, 現在, 病院の入院費用が病気やケガごとに定額化されている(この入院費用が病気やケガによって定額化される制度のことを, 診断群分類包括評価(DPC, Daignosis(診断)Procedure(手技) Combination(組合せ))制度といいます)ためです. ある病気やケガで病院に入院すると, 健康保険から病院に支払われる診療報酬は, その病気やケガによって決められた金額(入院基本料, 検査料, 画像検査診断料, 投薬・注射料, 処置料が含まれていて, この分を包括評価分といいます)になります. つまり, 入院中にたくさん検査をしたり, 薬を出したりすると, 病院の収入が減ることになります. (なお, 手術, リハビリテーション, 内視鏡検査, 放射線治療の費用は, 実際に行った回数や日数分(1回あたり, 1日あたりの料金は決められています)が診療報酬として病院に支払われます(この分を出来高(できだか)といいます).
もし, 入院している最中に入院するきっかけとなった病気やケガの他に, 新型コロナや肺炎のような病気になったり, 手術後の細菌感染などの合併症を生じたりすると, それらの検査や治療のために余分にかかった費用は, 病院が負担することになります.
新型コロナが陽性となった患者さんは, ご高齢だったので, 重症化しないように, ラゲブリオ®という治療薬を処方しました. この薬は, 1カプセルの値段(薬価)が, 2,357.8円もします. 1回4カプセルを1日2回12時間毎に5日間内服しますので, 薬の費用は, 2,357.8 x 8 x 5 = 94,312円となります. この薬の代金は, 健康保健や患者さんに請求できませんので, 病院が負担します. 現在も多くの病院で入院患者さんとの面会に制限を設けている理由のひとつは, もし, 入院中の患者さんが, 面会者と会った際に新型コロナに感染してしまったら, それに対する高額な治療費を病院が負担しなくてはならないからです.
12時頃に外来が終わったので, 来週予定している4件の手術について, カンファランスで使うスライドを作成しました. その後, 生命保険や労災保険の保険金請求のための診断書や介護保険の主治医意見書等の書類の記入をしました.
13時過ぎに自分の部屋に戻って, ランチを摂りました.
午後の病院での仕事
15時半に病棟に上がって, 患者さんに対する指示出しや主治医意見書や施設入所用の診断書等の書類記入を行って, 16時半から夕方の病棟回診を行いました. 新型コロナ陽性となった患者さん達は, 個室や大部屋に隔離されていて, 個人防護装備を付けないと入室できないようになっていました. 入院患者さんは77人, 自分が主治医となっているのは35人でした.
17時半頃に病院を出ました. クルマの中から空を見上げると, 雲ひとつない快晴の夕方でした. 帰宅の途上で, 半袖のTシャツ姿で横断歩道を渡る若者達を見て, 今日も暖かかったことを知りました.
トレーニング
夕方のニュースを見ながら, 牛乳を飲んで, チーズを食べて, 筋力トレーニングを行いました. 今日も各地から桜の便りが届けられていました. 今週末は, テレビで紹介されたどこかにお花見に出かけようかと考えています.
夜は, ネトフリで韓国のテレビドラマ『涙の女王』のエピソード5を見ました. ヒロインが, 担当医師と病気のことを廊下でやりとりするシーンやドイツの病院に単独で乗り込んで診察と検査(腰椎穿刺による脳脊髄液採取?腸骨穿刺による骨髄生検?)を受けるシーンには, やや違和感を感じました. 悪役が会長と過去に接点があったことが描かれて, この会社の乗っ取りに拘る理由が明らかになった回でした.
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