病院が停電
昨晩22時過ぎと今朝6時前, 入院患者さんの容態が悪化したとの連絡が入りました.
いずれも電話で状態を確認し, 酸素投与の指示を出しました.
寝不足気味の朝でしたが, いつも通り出勤しました。
病院管理棟の入口脇に車を停め, 建物に入ってエレベーターのボタンを押すと, 無反応.
仕方なく松葉杖をついて階段を上り, 自室に入りましたが, エアコンのスイッチも照明も反応しません.
「これは停電だな」
と確信しました.

「管理棟だけか?」
と思いながら, 病棟へ向かうエレベーター前へ行くと, 非常電源で1台だけ動いていました.
ありがたいことに, 長い階段を上らずに済みました.
病棟内も薄暗く, 静まり返っていました.
電子カルテ端末は無停電電源装置のおかげで起動していましたが, サーバー自体がダウンしており, システムは使用不能.
スマートフォンで調べると, この地域一帯で約3,000戸が停電しているとのことでした.
患者さんの状態確認や検査を行うため, 復電を待ちましたが, 30分経っても復旧せず.
手持ち無沙汰のまま, 非常灯の光の下で病棟を見回りました.
電源が復旧次第, 具合の悪い患者さんの検査をしようと考えて, 病棟で待機しましたが, 30分以上待っても一向に復旧しませんでした.
停電のため外来は休診に
8時半になり外来へ降りましたが, こちらも真っ暗.
電子カルテもX線撮影も処方システムも止まり, 診療は完全に麻痺していました.
受付では職員が来院患者さんへ状況を説明し, 処置や薬が必要な方のみ個別に対応.
新患や待機が難しい方には, 後日再診予約をお願いすることになりました.
私は管理棟に戻り、再び自室で待機.
しかし, 10時を過ぎても電気は戻らず.
その間, 救急外来で昨日手術した患者さんや予約患者の処置を行い, 久しぶりに手書きで診療記録を残しました。
電子カルテに慣れた現代では, 紙にペンを走らせるという作業が, どこか新鮮にも感じられました。
11時になっても復旧せず, ついに本日の外来は全面中止.
待機してくださっていた患者さんにも帰宅をお願いしました.
午後やっと復電
その後も待機を続け, 電気が戻ったのは14時過ぎ.
病棟に上がり, 容態が悪かった患者さんの検査を試みましたが, 電子カルテや検査機器の再起動に時間がかかり, 完全に復旧したのは15時でした.
検査の結果, 急性呼吸不全と診断.
ご家族に説明のうえ, 気管挿管・人工呼吸管理を行いました.
処置が終わったのは17時前.
この間, 昼食を摂る余裕はありませんでした.
17時半頃に帰宅し, 遅めの昼食代わりに軽いつまみとノンアルコールビールでひと息.
夜はNetflixで『忍びの家』の最終回を観ましたが, モヤッとした終わり方に,
「これはシーズン2への布石か?」
と思いつつ, 日付が変わる前に就寝しました.


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