午前の病院での仕事
今朝も通常通りに出勤しました.
4つの病棟を松葉杖をついて移動して, 朝の病棟回診を行いました. 入院患者さんは, 75人でした.
手術から1週間経ったので, 手術後の経過観察のために, 検査を行うことになっていましたが, 念のために骨粗鬆症の検査も一緒に行ってもらうように, 後輩医師に頼みました.
血液検査の結果には, 異常は認められませんでした. まだ, 右ふとももの痛みがあるので, 多少心配していましたが, 白血球は基準値内で, CRPも0.36mg/dL（基準値は0.3 mg/dL未満）とほぼ陰性であり, 細菌感染を疑う所見はありませんでした.
手術から1週後の状態
午前中, 外来の患者さん24人の診療を終えたところで, 放射線部に出向いて, 股関節のX線写真の撮影と骨密度測定を行ってもらいました.
X線写真では, 先週から自分の体の一部となった, 骨の中に入っているFemoral Neck Systemの器械の移動はなくて, 問題ありませんでした.
自分が骨量減少!?
しかし, 骨密度測定の方は, 全く予想していなかった結果で, 骨折が判明した時以上の衝撃を受けました.
骨密度測定の結果, 腰椎（第2-4腰椎）の骨密度は, 若い人（20−40歳代の平均値）の87 %, 同年代の人の88 %と少なく, また, 大腿骨頚部の骨密度は, 腰椎と同じく若い人（20歳代の平均値）の87 %, 同年代の人の94 %とやはり少なく, 骨粗鬆症（若い人の70 %以下, 上図の赤いゾーン）ではありませんでしたが, 骨量減少（若い人の90 %以下, 上図の黄色いゾーン）相当でした.
後輩医師からは, 「先生, 自転車の乗りすぎでは？」と言われました.私は, 冬はスキーをメインとしていますが, 雪の無い期間は, ロードバイクでロングライドやヒルクライムのレースをしているからです.
さらに骨代謝マーカーとビタミンDとビタミンKの充足状態を調べるために, 後輩医師に検査項目（TRACP-5b, P1NP, 25OHD, ucOC）を追加してもらいました.
実は, 骨折が判明した後から, 以前から妻に内服させていたビタミンDのサプリ（ネイチャーメイドのスーパービタミンD）を自分も摂り始めていましたが, 検査結果によっては, 骨粗鬆症の薬物治療を始めなければいけません.
ポチップ
午後の病院での仕事
午後は, 手術が無かったので, 病棟の仕事をして, 学会の専門医の更新のための申請書類を作成しました.
16時半から, 夕方の病棟回診を行いました. 今日も救急の患者さんが入院したため, 入院患者さんは77人に増えました. 自分が主治医となっているのは25人でした.
自転車の履歴書と骨折歴
ほぼ定時で帰宅して, 妻に骨密度検査の結果を伝えたところ, 「今までの骨折も骨が弱かったからなんじゃないの？」と指摘されました.
小学5年生の頃からサイクリングが好きで, 自転車で遠出をしていました. 大学に入ったときに, クロモリ（クロムモリブデン鋼という金属製）のロードバイクを買って, 乗っていました. 医師になってからは, 仕事がセブンイレブン（朝7時から23時まで病院勤務）で, 土日の休みもほぼなくて, 自転車からすっかり遠ざかってしまいました. 仕事に余裕ができた19年前にアルミのクロスバイクを, 14年前にカーボンのロードバイクを買って, 今日にいたっています.
2010年にロードバイクを購入した後, 2011年からレースに出るために本格的に乗り始めましたが, 山登り後のダウンヒルの最中, 路肩に貯まった砂でスリップして転倒した結果, 左肋骨を2本骨折したことがありました.
また, 同じ年に自宅の廊下で3本ローラーに載っている最中にバランスを崩してローラーから転落した際に, 右手の骨（有鈎骨, 月状骨）を骨折したことが2回ほどありました.
1998年の冬には, 競技スキー部の後輩達とスラロームの練習中に, 右親指をボールにぶつけて, 指先の骨（末節骨）を骨折したことがありました. この時は, 右手だったので, 患者さんに注射をするのが痛くて大変でした.
さらに, 震災前の2010年12月には, コブの急斜面でスキーのトップが雪面に刺さって, 板と一緒に前転してしまい, 右足くびの骨（脛骨遠位端と腓骨遠位部）を骨折したこともありました.
以上の数々の骨折が, 元々骨密度が低かったせいなのか, 自転車に沢山乗るようになって骨密度が低くなったからだったのかを確かめる術はありませんが, 今後はなお一層骨折に注意して過ごそうと考えた1日でした.
右脚のキズの状態
夜, キズに貼ってあったシール（オプサイト）を剥がしました. キズの表面はごく少量出血した跡だけで, 乾いていました. 最近の手術では, 皮膚は縫合しないで, 皮膚のすぐ下の真皮を密に縫合した後, 皮膚表面はシール（ロイコストリップ）で留めるのが普通になっています. このシールは, 手術から10日前後で剥がす予定です.
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